月別アーカイブ: 2024年1月

街とその不確かな壁」を読んだ

去年、発売された村上春樹御大の新作

Amazon.co.jp: 街とその不確かな壁 電子書籍: 村上春樹: Kindleストア

いざという時の清涼剤として寝かせておこうと思ったのだけど、友人に「村上さんの新作は、発売日に読んでそれをネタにしゃべるのが、一番正しい楽しみ方」的なアドバイスをもらって、確かにそういうものかもな、と思い、発売日から読み始めた。

面白かったー。ハードボイルドワンダーランドの続編に近い位置づけなのかな(実際は続いてないけど)。

>ホルヘ・ルイス・ボルヘスが言ったように、一人の作家が一生のうちに真摯に語ることができる物語は、基本的に数が限られている。我々はその限られた数のモチーフを、手を変え品を変え、様々な形に書き換えていくだけなのだ──と言ってしまっていいかもしれない

村上さんがずっと伝え続けたいモチーフは、この井戸なんだろうな(ねじまき鳥、今回、騎士団長などでも繰り返しでてくる)。この自分に深く向き合うことで見れる何か。村上さん自身がなんかそういう原体験あるのかな。

>「どうだろう? 恋愛というのは医療保険のきかない精神の病のことだ、と言ったのは誰だっけ?

今回も上記みたいな気の利いたセリフがたくさんあった気がする

>二十歳前後に巡ってきた出鱈目な時期を、ぼくはなんとか乗り越える。今思い返しても、そんな日々をよく無事に──まったく無傷とは言えないにせよ──通り抜けられたものだと自分でも感心してしまう。

20歳の青春の描写をよくまぁこんな上手にできるわね、と思いました。思い返したくない恥ばかりの時代で、でも、あのまばゆさに少し甘い望郷を感じる時代。

騎士団長殺しを読んだ

村上さんの騎士団長を最近、読んだ(ここ数年以内)。なぜなら、村上春樹は最大の現実逃避の小説なので、現実逃避したい時に読みたいから。

Amazon.co.jp: 騎士団長殺し(第1部~第2部)合本版(新潮文庫) 電子書籍: 村上春樹: Kindleストア

>「試練はいつか必ず訪れます」と免色は言った。「試練は人生の仕切り直しの好機なんです。きつければきついほど、それはあとになって役に立ちます」

免色さんかっこいい。ノルウェイの長沢さんを思い出します。

「明け方の若者たち」「ボクたちはみんな大人になれなかった」を読んだ。

カツセマサヒコさんの名前は知っていたけど本を読んだことがなかったので、読んだ。

明け方の若者たち (幻冬舎文庫) eBook : カツセマサヒコ

青春小説だった。青春小説としてはとても楽しく読んだ。
サブカルもたくさん。

昔読んだ燃えがらさんの「ボクたちはみんな大人になれなかった」に通ずるところがあった

>「人間の体は、あっためて甘いもん入れたら、少しは落ち着くようにできてんだよ」

いざという時にストックしておきたいセリフ。甘い珈琲だしながら。

>「花火を見てるとき、大人が子供ほどはしゃがないのは、なぜか知ってる?」 「わからん。なんで?」 「いつか誰かと見た花火を、静かに思い出してるからなんだとさ」

花火みた時用にストックしておきたいセリフ

なお、「ボクたちはみんな大人になれなかった」からの抜粋としては以下

>「もしかしてなんてないのよ人生」

>不安のためにボクはこれからも時間を売る。関口は不安を買って旅に出ることにしたんだ。