月別アーカイブ: 2016年5月

水にカロリーがないなんておかしい

水が美味い季節になってきた。それを人は夏と呼んでいるようだが、正式には「水がうまい季節」と呼んだ方がより適切だろう。初夏は、「水がまぁまぁうまい季節」であり、梅雨は「水がうまい季節直前」、秋は「水がそこそこな季節」である。

水がうまい季節がやってきた。

そういう歌がないのが不思議なくらいだ。あまりにも水がうますぎて気づかれるとまずいので、みんな黙っているのかもしれない。僕自身、常々思うのだ。こんな美味いものが、100円そこそこで買えていいものだろうか、と。スイスなんかじゃ水道水で飲めるので無料だ。これは、もはや事件である。いわば、牡蠣が蛇口から出て無料で無限に食えるようなもので、そんなことが起こると世界のバランスが崩れてしまう。あるいは、南アルプスの土地が高沸する。

ゆえに人は、こんなに美味しいものを黙っているのかもしれない。

あるいは、この水の美味さをあまりにも人は発言しないので、もはや、僕だけが「水を最高に美味しく飲める味覚」を持っているんじゃないかと思うほどだ。こんな美味しいものがカロリー0なんて嘘だ。コーラゼロがなんかあれ、と言われているのと同様に、水のカロリー0も嘘だろう。たいてい美味しいものにはカロリーがある。油だって、肉だって、砂糖だって。それを考えると水もカロリーがないと割に合わない。世界のバランスが崩れる。あるいは、水ダイエットにより世界中のダイエット産業が崩壊する。ゆえに、人はこの美味しさを黙っているのかもしれない。

は!もしかして、人は水をちゃんと飲んだことがないのではなかろうか。水を飲む作法を間違っているのではないだろうか。ゆえに人はこの水の美味さを知らないのではないだろうか。走ってきた後の水の美味しさは格別で三大欲求を超越するほどだ。無限に飲める、睡眠を削ってまで飲める。死んだら水になろうか、と思うほどの美味さだ。水と付き合ってもいいかもしれない(要件次第だが)。

もう水です。今後の新規事業は全て水にすべきだ。水をパッケージにして売ったらいいんじゃないだろうか。水をぐびぐび飲める機械を。あるいは、水になとかなんとか水とか適当なことを行ってうれば、思わず水の美味しさにみな気づいて、革命が起きるんじゃないだろうか。藤原紀香さんとかに売ってもらうのだ。「多摩市の水道水はめっちゃうまい」とか言って。

水のうまさを知ると国民の幸せ度があがりまくって、ブータンを超えるだろう。あるいは、他の飲み物が売れなくなって飲料業界は崩壊するだろう。もしかすると、クリントンが大統領になったらUFOの秘密と一緒に水の秘密も暴露すると良いかもしれんね。コカ・コーラの原材料は世界で3人しか知らないと言われるというけど、水の美味しさもそれくらいの秘密にしておかないと世界のバランスが壊れるかもしれんね。

ゴールデンウィークに読んだ15冊+α

ゴールデンウィークでは、Kindleで未読の本を処理しようと思い、乱読。

以下、せっかくなので引用メインのレビューを。

赤目四十八瀧心中未遂

赤目四十八瀧心中未遂
赤目四十八瀧心中未遂

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車谷 長吉
文藝春秋
売り上げランキング: 103,758

★★

なぜ買ったか覚えていない一冊。

多分、誰かに「車谷 長吉」を進められたので、買ったのだと思われる。

前半は「なんだか入り込めないな」と思って読んでいたのだが、知らない間に、下町の雑踏に飲み込まれるように物語に吸い込まれてしまった。

大阪弁と1980年前後の時代の濃さが凝縮されており、この肉々しさやシズル感がすごい。

梁石日や西村賢太などの作品が好きなら合うのではないか。

チンケに負ける豚。

なんというインパクトのある比喩。

「そやかて、この世に生きるいうことは焦るいうことやろが。そやからこそ、お先にどうぞ、思て生きなあかんのやけど、世ン中の人はみな目の色変えて、我れ先に走って行きよるが、阪神電車に乗るん一つが。これを言い直したら、生きることは捨てることや。

お姉さんのタンカ。表現も内容も深い。

けったいなこと言うてはる人。

ぐっとくる表現

一度、冷蔵庫の扉を開くと、中に口を近づけて、「ねえさん、すんまへん。ありがとうございました。」と、声にならない声で言うた。その声を冷蔵庫の中に閉じ込めるように、扉を閉めた。私はアパートを飛び出した。

好きなエピソード

白洲次郎 占領を背負った男

白洲次郎 占領を背負った男 上 (講談社文庫)
北 康利
講談社 (2008-12-12)
売り上げランキング: 44,561

★★★

会社の方に教えてもらって読んだ本。

「面白いに違いない」と思っていたが、案の定、最高に面白い。よく売れた一冊と記憶しているので読んだ人も多いのではなかろうか。

ちなみにこの一冊も、流行っていた数年前に読んで、途中で挫折した一冊。当時はこの白洲次郎の気持ちにはなれなかったのだろう。

戦後の日本でGHQなどと張り合った男の人生。ダンディズムがあり、ジェントルであり、もう魂を揺さぶられる人生。

日常生活の冒険

日常生活の冒険(新潮文庫)
新潮社 (2014-03-14)
売り上げランキング: 75,752

★★

なぜこの本を買ったが記憶にない

ストーリーとしてはファンキーな友人との青春談。

大江健三郎は好きな本(同時代ゲーム)と好きじゃない本(他の短編集いろいろ)に別れるのだが、これはそこそこ好きな本。ストーリーというよりも時代を背景にした質感が素晴らしい。

肛門を鬼に咬まれるみたいに恐い

という表現が好き。

“夢を「10倍速」で実現する方法

夢を「10倍速」で実現する方法
三木 雄信
PHP研究所
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★★

会社の方のおすすめで買った本

孫さん好きには楽しい一冊。

以下、ハイライトした箇所の一部。

「早く決断してスッキリしたい」などというのは、孫社長に言わせれば怠け以外の何物でもないのです

確か孫さんは数分考えて結論でないものは自分で考えないというスタンスでしたが、それと平行して、「とはいえ、すっきりしたいために決断する」というのは戒めるためのポイントなのではないかと理解しました

「自分一人で考えない」  これこそが夢の実現スピードをアップするための必須条件だと、私は孫社長から学んだのです。  その証拠に、孫社長が部屋にこもって一人で何かを考えている時間はめったにありませんでした。

ちなみに私は、日本中の論文を検索できる「CiNii」というサイトをよく使います。政治経済から科学、医療、芸術まで、あらゆるジャンルの論文が探せるのでとても便利です。  

知らなかった。ちょっと使ってみたら結構面白い。「ブランド国家」で調べたら、僕が大学時代に大きな影響を受けたvan Ham Peterのフォーリン・アフェアーズの論文も掲載されていましたん。

思考は現実化する

思考は現実化する〈上〉
ナポレオン・ヒル
きこ書房
売り上げランキング: 4,468

★★

会社の方にリコメンドいただいた本。

著名な本なので、過去にも一度読んだのだが、当時は全然ピンとこなかった(確か高校生か大学生の頃だったように思う)。しかし、今読むとあらためてしっくりくるところが多い。それはきっとこの本に書かれていることのハラオチする経験をしたからだし、あるいは、ここで書かれている課題のいくつかは自分の課題として認識しyているからなのだろう。

本というのは、読むべきタイミング、というものがあるのだ。

人を動かす

人を動かす 文庫版
人を動かす 文庫版

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D・カーネギー
創元社
売り上げランキング: 148

★★

こちらも同じくリコメンドいただいた本&過去に挫折した本。

「影響力の武器」を彷彿させましたが、それよりももっと文脈的という印象

道は開ける

道は開ける 文庫版
道は開ける 文庫版

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D・カーネギー
創元社
売り上げランキング: 1,518

★★★★

こちらは上記の綱がりで読んだ一冊。一番、刺さった。一番ハイライトした。30箇所前後

私は「友がみな我よりえらく見える日は」というノンフィクションが大好きで。この本では「人がいかに絶望から立ち直るか」といったようなエピソードが描かれている。それをもっと世界版に、そして著名人版にしたのがこの本だという印象を受けた(実際はもっと異なるが、印象論として)

ゆえに、僕は「人が苦労や失敗、絶望からどう立ち直るか」がとても興味があり、少し前からライフワークにしてその話をよく聞いているほどだ。

そういう背景もあり、とても刺さった一冊でした。非常におすすめ。

好きなエピソードいくつか

かつてバイオリニストとして世界に名を馳せたオーレ・ブルがパリで演奏をしていた時、バイオリンのA弦がぷつりと切れたことがあった。けれども、ブルは三本の弦でその曲を終わりまで弾き続けた。「それが人生なのだ。A弦が切れることも、三本の弦で弾き終えることも」とハリー・エマーソン・フォスディックは言っている

私は多くのアメリカ実業界の指導者にインタビューした。強く印象に残ったのは、彼らが避けようのないものは受け入れ、意外にも悩みとは無縁の人生を歩んでいることだった。

偉大な哲学者で『厭世主義の研究』の著者ショーペンハウエルの意見に耳を傾けよう。彼は人生を無益で苦しい冒険とみなしていた。彼が歩を運ぶたびに、彼の体からは憂うつがしたたり落ちた。それでも絶望の深淵からショーペンハウエルは叫んでいる。「できるなら、何びとに対しても憎悪を抱くべきではない」と。

成功者の経歴を研究すればするほど、私は一つの確信を深めるようになった。つまり、努力と成功の刺激剤とも言うべき悪条件を背負っていたからこそ成功したという人は驚くほど多いのである。

これが第一の法則である。次には、より直接的に彼らの生活方式に攻撃を加えるのである。こう言うのだ──「この処方どおりにしたら、二週間できっと全快しますよ。それは、どうしたら他人を喜ばすことができるか、毎日考えてみることです」。

上記の考えはかなり刺さった。実は「自分が幸せになりたければ人の幸せを願うことが重要」という、人生の叙述トリックのようなギミックが仕掛けられている。が、この命題は、非常にハラオチすることも多く、多くの他の人の発言や自分の経験を鑑みても納得できる点は多い。このテーマはしばらくじっくり考えたい。

とりあえず朝マンションで合う人に普段よりも大きな声で笑顔で挨拶をするということから始めている。

近代心理学における最も重要な発見は、自己実現と幸福のためには、自己犠牲や訓練が必要である点を科学的に実証したことであろう」

教室で判明したことといえば、多くの人々は、自分たちが手抜きのできない仕事に絶えず追いかけられ、苦しんでいると思い込んでいることだった。

思い当たることがあり、痛い。

つまり、祈りは神を信じる信じないは別として、あらゆる人々が共有する非常に根源的な三つの心理的欲求を満たしてくれるのである。

祈りの科学的根拠。非常に興味深すぎて、「祈る」という行為にも関心を持ちはじめました

ツナグ

ツナグ (新潮文庫)
ツナグ (新潮文庫)

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辻村 深月
新潮社 (2012-08-27)
売り上げランキング: 3,054

★★★

死んだ人と話ができる場を設定できる人が主人公の話。どのエピソードも、綿密に設計されていて素晴らしい。辻村 深月さんらしい、というか。単なる短編集で終わらせない。

ただ、そういう大味の設定にも関わらず、個々のエピソードが読ませる。特に好きなのは、
・恋人が急に消えた
というストーリー。結婚を考えていた恋人が消えるって、相当なあれですよ。この短編だけでも、色々考えることはありました。

目からウロコのコーチング

★★

コーチングに興味があり手に取った。会社でファシリテーションやコーチングが非常に上手な方がいらっしゃって(以下のURLなど参考)、実際に「そのマジックのような場を整理する力」などを見ていると、「コーチングの本領」を垣間見ることができ興味を持ったのだ。それまでは、その力をどれほどのものかわからず興味が持てなかった

»起業家が知っておくべきコーチングのやり方 — The First Penguin

コーチングの考え方やテクニックなどが多く、非常に参考になった。これは会社の上司・部下だけではなく、友達や恋人との関係でも使えるところは多いだろう。

以下、ポイント抜粋

コーチングにならない原因の一つとして、「問題解決に自分ものめり込んでしまう」という傾向があげられます。

マネージャーあるあるですね(自戒)

「日常的な上司からの情報(アドバイス・意見)がとても役に立っている」という問いに「イエス」と答えたひとは、二〇%でした。

いかに上司として「部下を思っているアドバイス」が、相手にとって役立っていないかという事実を突きつけられるデータ。

つまりコーチングにおける「聴くこと」は、「相手の中に答があると信じていること」が前提条件でできるのです。

これが一番刺さったポイントかも。つまり「信じきれるか」というのがコーチングをする人の力量として問われるのだ。コーチングは単に「聴く」というものでは全くない(当たり前ですが)。

「すぐに出てくる答は答ではない」というくらいの心がまえでいてください。すぐに出てくる答は、普段から考えていることで「常識的で平凡」です

聴くという思いも、上記のような前提で聴くと、また姿勢は変わりそう。

あなたが部下の話を聴くときに、身体はどんな向きをしていますか? 椅子の背もたれに身体をあずけてふんぞりかえっていないでしょうか。

意識だけ「聞いているふり」しても、あかんようになる例。

あなたにみえている部下の「エネルギーロス」を指摘するのではなく、「得られているものの代償として失っているものは何か」をテーマとしてとりあげることが効果的です。

テクニックとして上記の質問は参考になります。

珠玉

珠玉 (文春文庫)
珠玉 (文春文庫)

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文藝春秋 (2012-09-20)
売り上げランキング: 21,695

Kindleが出た当初になんとなく買った一冊。開高健さんは名前は聴くけど読んだことがなかったので読まなきゃと。しかしながら、少し読むもピンとこなくて積読(Kindle放置読)していたのですが、ついに読了。

3部作だが3部目の「一滴の精液」が素晴らしい(Amazonのレビューを読むと他をほめている人も多いので、趣味の問題なんだろうと思う)。「小説とは観察だ」とは大江健三郎の短編の中にある一説だが、まさにその本領を体験できる観察眼。

アルケミスト

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)
パウロ コエーリョ
角川書店
売り上げランキング: 156

★★★

大学時代に一度挫折して、やっと読了した一冊。

大学時代の尊敬する友人の愛読書で、とても興味があったのですが、当時の僕には読み切る力はありませんでした。とはいえ、者h語り自体は絵本レベルとまではいかなくても、非常にシンプルでわかりやすい物語です

では、なぜ読みきれなかったかというと、このストーリーが持つ箴言や意味を汲み取りができなかった(あるいはそれを必要としなかった)のだろうと思います。別でも「本によって、読むべきタイミングがある」というのは書きましたが、その代表的な本がこちらかと。もちろん、これは青春時代に読むべき本の一冊としyて考えるのが正しいのでしょうけれど、何歳になってもこの本の持つ意味の価値は変わりません。折に付け読み返したい本です。

素晴らしい一冊とは分かっていたのに体が受け付けなかった。いまはとてもしっくりくる。そのような自分の年の重ね方さえも感じられる素晴らしい一冊です

その日のまえに

その日のまえに (文春文庫)
重松 清
文藝春秋
売り上げランキング: 1,139

途中まで読んでいて、やっと読了。最後あたりはぐっとくるシーンが多い。ただ、重松さんの本は、家族系が多いからか、あまり感情移入できず得意ではないかも。

疲れない脳をつくる生活習慣

疲れない脳をつくる生活習慣
プレジデント社 (2016-01-28)
売り上げランキング: 118

★★

以下の記事を見て石川 善樹さんに興味がでて拝読。しばらく前から重視されている「マインドフルネス」に関する一冊。

»強いメンタルを持つ人間の行動は何が違うのか?(前編) – Industry Co-Creation(ICC)

瞑想(禅)への関心がますます高まっています。

最貧困女子

最貧困女子 (幻冬舎新書)
鈴木 大介
幻冬舎
売り上げランキング: 2,686

★★★

お金がなく風俗をする女性たち、それでも十分に稼げず活きるのに精一杯な人たちの実態のルポ。

この状態が日本のどこまでの母数を表しているかの量の問題は別として、実際にある問題なのだろうと思う。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない  A Lollypop or A Bullet (角川文庫)
桜庭 一樹
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 35,357

★★

ラノベでは有名な本。角川の本がキャンペーンをしている時に購入。

ストーリーとしては読みやすく面白い。中高生受けするでしょう。

逃げるは恥だが役に立つ

逃げるは恥だが役に立つ(1) (Kissコミックス)
講談社 (2013-12-06)
売り上げランキング: 16,116

★★

なぜ買ったのか不明(購入日は2年以上前)。婚活系の漫画なので、婚活に興味があった頃だったのかな。

「ハウスキーパーを雇う男性とそのハウスキーパーさんと建前上、結婚するという話」であり、設定としては面白かった。

僕だけがいない街

僕だけがいない街(1)<僕だけがいない街> (角川コミックス・エース)” style=”border: none;” /></a></div>
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KADOKAWA / 角川書店 (2013-05-18)
売り上げランキング: 59

★★

これも2年以上前に購入。角川の本が安い時に買ったのかも。あと友人のおすすめと。

近未来の悲劇を予知できる主人公の話。こういう時間操作系は面白い。