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パーティーが終わって、中年が始まる

パーティーが終わって、中年が始まる (幻冬舎単行本)」を読んだ

Phaさんの本。自分の年齢にも関わることもあり、面白く読んだ。共感することも多し。

>一人暮らしになってからは、人に会う機会が本当に減った。  昔は、何もしなくても待っているだけでいろんな人がやってきて、話し相手に困ることがなかったけれど、今は、待っていても誰もやってこないし何も起きない。

ちょうど友情の本をよんでいたこともあって、上記をハイライトしてた。
今後、ますます我々は、人とのつながりを作ることに努力を要する

>一緒に住む以外で人と仲良くなるやり方がすっかりわからなくなってしまった。自分から誰かに、「電話してもいい?」とか、「ごはんを食べよう」とか、「今度飲みに行きましょう」とか、声をかけていくしかないのだろうか。  苦手だけど、最近はがんばって人を誘ったりしている。もっと若いうちに慣れるべきことを、僕は四十代まで先送りにしてきただけなのだろう。

運は遺伝する」を読んだ

遺伝系の本を2冊ほど読んだ。だいぶ遺伝というものに理解が進んだ。

遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる

>遺伝的祖先の科学を間近に見れば、「人種は科学的な検討に堪えるものではなく、この点に関して議論の余地はない」のは明らかなのだ

人種で人をくくってはいけません。主語が大きすぎる問題

>子どもができるたびに、父親と母親がふたつずつ持っている遺伝子のうち、どちらが子に受け継がれるかがランダムに決まる。

シンプルな説明。ただしものによっては遺伝率が高いものと低いものがある。たとえば、身長は高くて「身長に関するこの研究では、身長の遺伝率は約八十パーセントと結論された。」だとか。

それらを分析すると以下のようないろいろな相関性が見える

>性的初体験の早さと関連する遺伝子は、ADHDおよび喫煙のリスクと結びついていることがわかった

運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」 (NHK出版新書)

>やる気や集中力のような「性格」とされるものも、ほぼ半分は遺伝で説明できる。

>パーソナリティの遺伝率はだいたい 50%程度、共有環境は5%程度、非共有環境が残りの 45%くらいになります。

>僕もビッグファイブ理論を重視することについては、まったく異論ありません。パーソナリティに関してはこれまで多くの研究者がさまざまな理論を提唱してきましたが、いまではビッグファイブ理論に基づいたコスタ&マックレーによる「NEO(ビッグファイブを測る世界的に最も標準的な検査の名前。ビッグファイブの中の神経症傾向 Neuroticism、外向性 Extraversion、経験への開放性 Openness to Experience の頭文字を並べたもの) モデル」が主流になっています。

MBTIではなく、ビッグファイブ理論

>1990年代に行なわれた実験では、被験者にいろいろな男女の顔写真を見せて、魅力的かどうかを調べていました。それによると、美男/美女かそうでないかにはかなりのバラツキがあるが、ある人から魅力がないと思われても、別の人は魅力

顔の好みの多様性の話。おもしろーい

>遺伝についての欧米の哲学者たちの議論のなかで興味深いのは「運の平等主義」です。哲学者のマイケル・サンデルは、彼らの主張を哲学者リチャード・アーネソンの「運のいい者は幸運のおかげで手に入れたものの一部あるいは全部を、運の悪い者に譲るべきだ」という言葉で要約していま

この考え方って、国にも応用できるよなと。恵まれた国に生まれた人はそうでない国のサポートに力を注ぐべきだ

FRIENDSHIP(フレンドシップ)を読んだ

Amazon.co.jp: FRIENDSHIP(フレンドシップ) 友情のためにすることは体にも心にもいい eBook : マリサ・G・フランコ(Marisa G. Franco), 松丸 さとみ: 」を読んだ。僕的に今年のベスト一冊ではないか。

友情に関して書いた本だが、とても面白かった。コロナで、会社の出社や飲み会が減り、人とのつながりが少し減って、恋愛や結婚をする人も減って、人は友人が減っていく。若い世代の方が友人の数が少ないというデータが本書でも記されている。

ただ、同時に人は社会的な動物だから、人とのつながりは大事で。幸せに寄与するのも、人間関係の幸せがもっとも大きいとも言われている。
そう考えると、今後、いまの「恋人いない」「結婚しない」という問題と同じく「大切な友達がいない」「友達が欲しい」などが、同じくらいの問題になるのであろうと思われる。実際に、孤独は大きな病として、アメリカやイギリスは国の課題として対応している。いわゆる死に至る病は以前は絶望だったのが(cfキルケゴール)、いまは孤独だったのだ。

そんな友情の本。

>2013年に行われた、合計 17 万7653人を対象にした研究277件のメタ分析から、 友人のネットワークはここ 35 年間で、縮小の一途をたどっていることがわかりました。 2000年代を生きた人は、1980年代前半を生きた人と比べて、友達の数が平均で4人少ないのです

>ある研究では、友達と一緒に過ごす方が、恋愛の相手や自分の子どもと一緒に過ごすよりも大きな幸せにつながることがわかりました

自分の子供よりも。

> 彼らは、オムリが言うところの「シャベル友達」(午前2時に家に行き、遺体を埋めるのを手伝ってほしいと言うと、〝シャベルはどこ?〟と言ってくれる友達)をつくるのも得意です。

めちゃさえている表現や

>大人になってから友達をつくるには、自分から働きかける必要があります。 自ら行動を起こして

そうなんですよね。大人になってからは、恋愛と同じで友情も、かってにはできない。努力が必要
子供の時は学校が一緒で暇もあったし、かってにできたけれど。

>友達づくりは運によると考えていた人は5年後、前より孤独になっていた一方で、友達づくりには努力が必要だと考えていた人は、そこまで孤独ではありませんでした(*114)。  理由は何だったのでしょうか? 努力が必要だと考える人は、友達や家族に会いに行ったり教会に行ったりなど社会的な活動を多くする傾向にありました。  そしてこうした社会的な活動に関わることで、友達ができたのです。

>あいさつなどのちょっとした行動は、人生にそこまで大きく影響しないと人は思うものです。でも、実際はするのです。 たった1回のあいさつが、孤独でいるか、親友を見つけるかの違いをつくる可能性もあります。

面白い。一時期、会社で、怖そうと言われたことがあってから、できる限り、顔は笑顔でいるように努力している

> この研究が示唆しているのは、自分は拒絶されるだろうと決めつけるとき、それが「自己成就予言」になるということです。 自分自身が相手を拒絶する人となり(敵対的になる、距離を取る、嫉妬する)、そのせいで、恐れていたとおり拒絶される状況をつくるのです。

自分が警戒すると、その関係性にも、それが反映されるという話。
ゲーム理論的な話やな

>まず学生らには、調査対象となる人と初めて会ったときに、相手と友達になれる可能性はどのくらいだと思うか、予測してもらいました。スナフランクらによると、このときの評価によって、9週間後に実際に友達になったか否かがわかりました(*130)。   言い換えれば、この人と仲よくなれるかも、という直感は当たるのです。

>そして近接性がうまく作用する最後の理由は、人は多く接触して親しみを感じるようになった相手を好きになるからです。心理学の世界ではこれを「単純接触効果」と呼んでいます。単純にその人と何度も接触することで、その人を好きになるからです。

1回あっただけの人と2回目あった人との親近感の差ははんぱない。これって、なんか特殊なレーダーが体に入ってるやないかと思うほど気持ちが違う。

>、「洞察と質問」という手法を使えば、知らない人に自分から話しかけられるようになります。   やりかたは、自分の意見や感じたことを述べ、続けて質問をするだけです(*136)。  「読書クラブの課題図書で読んだ本、主人公が最高だなと思ったんだけど、あなたはどう思った?」とか、「この飲み物、甘くておいしい。そのドリンクはどう?」

知らない人と会話するためのテクニック。質問するだけではなく、自分の意見を述べてからというのが味噌

>参加者は、自分がそのようなもろい状態でいる場合、人から弱いとか、さらには不快だとか思われるだろうと想像しました。しかし、 自分以外の誰かがこのような状態でいるところを想像した場合は、相手のもろさはむしろ好ましいとかよいことだと考え、前向きに受けとめたのでした

弱さが関係性構築のプラスになるってええ話

>親密な質問を通じてお互いにもろさを見せた学生たちは、たわいもない会話をした学生たちと比べ、相手に親近感を抱いたと報告しました。 さらには、もろさを味わった学生は、一般の学生の 30 パーセントが誰かしらに対して抱く親近感よりも、もっと強い親近感を自分の実験パートナーに抱いたのです(*152)。

自己開示が重要という話

>結果は、高レベルの親密度で話を打ち明けてきた人の好感度は一番低く、不安そうだとか、精神的にバランスが取れていないと受け取られました。 中レベルで打ち明けた人がもっとも好かれました(*157)。  過度に自分のことを打ち明けてしまわないよう、 自分について話すときはその動機は何かを考え、「なぜこの話をするのか?」と自問する必要があります。 自分についてどこまで話すかは、そこにない安心感を埋め合わせるためではなく、実際の安心感を反映したものであるべきです。 他人のもろさを避ける人もいる  また、もろさを正しく表現をしたとしても、もろくいることが批判されるときも確かにあります。

中くらいの悩みが一番大事。

>愛情を表現しないと、友情そのものを失う恐れがあります。  愛情とは、つながりと親密さを育むとてつもなく大きな力である

「チョンキンマンションのボスは知っている」を読んだ

チョンキンマンションのボスは知っている」を読んだ。
とある読書会に参加した時に教えてもらった一冊。

香港のタンザニア人ビジネスマンの人生や日常を描いた本。日本の方が、現地に住み込み、情報を仕入れて書いたという気合いの入った一冊。

独特の互助制度があったり(香港で死んだタンザニア人を国に送るために、お互いがお金を出し合う)、SNSを使ったビジネスの仕組みがあったりと、かなり面白かった。

同時に国という概念が持つアイデンティティへの寄与度の大きさも参考になった。

「サヤカ、詐欺に遭った時に最も役立つ情報を教えてくれるのは誰かわかるか」。私が「うーん、警察とか弁護士とか?」と答えると、「ばーか。そんなの詐欺師の友人に決まっている