月別アーカイブ: 2009年1月

2008年の12冊

さて。個人的に毎年行っている「その年に読んで面白かった小説」まとめ。
四年目になりますやろか。この「読んだ本」に自分の本メモを入れているんだけど、去年は100冊ちょっとしか読めておらず。どうしてもビジネス系が多いので小説は半分以下だろうか。ということで6位までにしました。タイトルの12冊は仕様。
あとテンションあがるかは人次第なのでご注意下さい。
ともあれ、過去のは以下。

■6位: 新堂冬樹 「女王蘭」
これも、すすめられて読んだ一冊。
キャバクラなどが舞台だが、ストーリーが面白くて(どろどろして)、楽しく読んだ。
» 女王蘭 (読んだ本)
■5位: 大崎 善生 「ロックンロール」
パリを舞台にした恋愛小説。
切なさを書かせたら、大崎さんつよし。昨今、毎年ピックアップしてる気がする。
以下の最後の引用が白眉。

僕もわからなくなると真夜中に台所に立って鍋を磨く。一時間も二時間も。本当だよ。

それにきっとこの世にはヒステリーという名前のバス停を持っていない女の子だって存在しているに決まっている。

こうして僕たちは欲望の坂道をただ転がっていけばいいのだ。その先にあるものを恐れることなかない。ただ石ころとなり転がり続ければいい。

アメリカの小説にあったような気がする。この世の正しいことの全てはシャワーを浴びた後にされることだ。

» ロックンロール (読んだ本)
■4位: 志羽竜一 「アムステルダム・ランチボックス」
一気に読んだ。会社で、べにぢょだか西川さんにすすめたところ、楽しく読んだとのレビューをもらった気がするので、それなりに万人受けするのではないかと想います。
» アムステルダム・ランチボックス (読んだ本)
■3位: 西村 健 「ビンゴ 」
ダイハードを小説化したら、こうなります、というような感じ。
バイオレンスあり、人情あり、一気に読まされた(好き嫌いは激しいと想うのでご注意)。
ビンゴから考えると、七冊になるのかな?すごい分量だけど、すぐ読める。3人が主人公で、それらの物語が1つづつ。そしてその3人の主人公が絡まる物語が四冊分。
最後は、カタルシスを憶えずにはいられない。平成版バイオレンス戦国時代物語というか。
» 劫火4 (読んだ本)
» 劫火2 大脱出 (読んだ本)
» 劫火1 ビンゴR(リターンズ) (読んだ本)
■2位: 真山 仁 「ハゲタカ」
友人にすすめられて読んだ「ハゲタカ」。その人のおすすめはホボ、外れることはないので迷わず買った。案の定、べらぼうに面白かった。
ハゲタカ2も併せて四冊の物語で重厚。でもあっという間に読む。ドラマ化されたらしいけど詳細不明。
ストーリーはハゲタカファンドの物語。実際の日本の出来事などもうまく絡ませているので、その辺にも興味あると、とても面白い。
なお「虚像(メディア)の砦 (読んだ本)」はイマイチ。マスメディアが舞台。
以下、少し引用。

わたしはフェアとラブって言葉が一番嫌いよ。どっちもこの世にあった試しがないんだから。

» ハゲタカ2 (読んだ本)
» ハゲタカ (読んだ本)
■1位: 中村 航 「リレキショ」
あくまでも「村上春樹好き」として、とても面白かった。
ストーリーは当然ながら、言葉使いや表現、エピソードが刺さる。なお「100回泣くこと」はソコソコ。
概要としては、主人公がリレキショ作って、ガソリンスタンドで働き始める。で、そこで恋する相手がみつかる。あとは姉と姉の友達が主要人物で物語はすすむ。
なんてことのないシーンたちだけど、こうも絡まると素晴らしい一冊となる。
» リレキショ (読んだ本)

何が人の心に残るのか

ちょとした調べ物をしていて、たまたま、とあるドラマに行き当たった。
ライツ関係あれなので、リンクは張りませんが某Tubeで。
なんのドラマかというと東京ラブストーリー。何かのランキングで「もう1度みたいドラマ」の1位に選ばれていたような。
で、これの最後10分くらいだけ再読したのだけど、やはり素晴らしいですね。いや、まぁそりゃ小田氏のBGMも凄いし、いろんな意味で鈴木氏も懐かしいからぐっとくるという要素はあるものの、やはりこの最後のストーリの切なさがなんというか、インパクトある。
※というか、自分の思春期と重なっていたから印象深いという可能性もありますが・・・。
で、最後は悲しい終わり方なのですが、だからこそ、なんというか、なんとも言いしれようのない感情が残るのが、ずっと人の心に残るのではないかと。
他に悲劇周りのドラマを思い出してみると、ノジマ先生の「高校教師」、あるいは「未成年」、あ、ドラマあんまり見ないのでそれしか出ないな。ひとつ屋根の下とかはハッピーエンドか。むー。ドラマ24の1の最後とかそれじゃね。
他、映画だとやはりタイタニックがそれに該当するのではなかろうか。戦場のピアニストとか、パーフェクトワールドもそうか。頭の中の消しゴムは悲劇とはいえんかね。「今あいにいきます」も一応悲劇かなー。
それ以外でも、シェークスピアの悲劇4部作だとか、ファイナルファンタジー10、サンクチュアリだとかも悲劇といえば悲劇か(怪しいけど)。漫画の悲劇ってあんまり思い浮かばないな。
小説だと何だろうか。Xの悲劇は悲劇だけど悲劇じゃないし(今更ですが、これは必読小説かと!)。もう大分忘れたけど、東野さんの「秘密」は悲劇だったような気が。違う?伊坂さんの「アヒルと鴨のコインロッカー」も最後は大変ぎみだった気が。あと、アルジャーノンも?浅田次郎は悲劇は多いけど、悲劇じゃなく見せてるからなぁ。
ということで、悲劇の物語はそれほど数は多くないものの、インパクトのあるものが多い気がする。
この救われない感がいいのだろうか。それだと人類の過半数はマゾヒストということなのか。うーむ、それとも自分で解釈しようとするから(むりくりハッピーに)、それが印象に残っているのだろうか。
で、ふとそれをネットに応用しようと考えてしまう職業病だが、「あなたの悲劇教えて下さい!」というようなウェブサイトだったら、2chにありそうだ。とりあえず悲壮感ただようサイトになります。リグレットが少し近いのか。
悲しいことは人の共感を呼ぶからか。たしかに自慢されると人は抵抗(心理的に)したり、あるいは自分がハッピーでない時は、ハッピーな物語を読むと、よけいストレスたまるのかもしれない。
人は人を見て不幸を定義づけるのかしら。せちがらい生き物ですね。
あ、あと最近では、改めてMattの新しいのみたけど余裕で涙した。

これにぐっとくる人とこない人がいると思うのだけど、僕はこのような群像劇に弱いので(元気玉とか)、やられるのだ。最初のバージョンよりも大分パンチ力が増加している。最近はカードのCMにも出てたとか?
Visa(こっちは教えてもろた)

でちょっと調べたんだけど、これVisaだけじゃなくて、Yahoo!を筆頭として大分、企業とコラボしているんですね。こんなビジネスがありえるのか。凄い世界だ。
» あのWhere the hell is Matt?がVisaカードのCMに登場しちゃてるぜぃ。 | 広告大臣
あとMattのプレゼンもあった。2000人以上の人と世界中で踊ったらしいが、どうやったのかという話。ユニークなイラストのプレゼン資料がいい(子供にはお金やったらあかん。先生にやるんだ!とか)。
» YouTube – How the Hell Did Matt Get People to Dance With Him?
とまれ、悲劇でも喜劇でもないのに泣かせるというのは、本当に素晴らしいなぁ。
昨今、エモーショナルマーケティングだとか、感性のUI云々とかよくみるし、今日もロボットの人から感性工学(感情と技術の融合)とかも聞いて、ふむふむとか思っていたのだけど、こういう感性に訴えかけるのは、一様でない点が、それの妙味たる妙味というか。
以前、なんかの本だかで「セザンヌのリンゴを生でみて、号泣した」という話を読んで、期待しながらロンドンでセザンヌをみたのだけど、それは私が未熟でぐっとこなかった。
ただ、似たような話では、初めてミュージカルをみた時にストーリー云々でなく最高傑作の踊りというものに涙した憶えがある。自分でもびっくりしたけど(ハッピーな物語だったから)。
そういえば、自社の話になるのだけど、べにぢょがメインでやってくれているサイト「パンドラ」も、一部から評価を頂いており嬉しい。「こういう感性で繋がるサイトというのは増えてくるのでしょうか?」と取材みたいなされた。そういえば、である。
ふーむ。感性感性。奥が深いなぁ。
最近、みなさんは何に心動かされましたか?というようなフレーズをふと口にしてみる今日この頃。そして、自分のソーシャルブックマークの「いい話」タグから、以下あたりを抜粋しておき筆をおく。
» 10年後の素敵なエンディング
» 命かけ住民守った13秒:ぁゃιぃ(*゚ー゚)NEWS 2nd
» 嫁が謝ったのを憶えていない
» この地上には愛すべき事が実に多い、急げ – もしもし
» 俺、いま幸せだよ コピペ新聞
» 国際時事新聞: 3.8億円の宝くじ当選、1年近く熟慮の末受け取る
» この前妻に先立たれたんですよ コピペ新聞
» On Off and Beyond: 書評:How Starbucks Saved My Life(全米が泣いた!)