月別アーカイブ: 2011年7月

富士山に登ろうと思ってから登り切るまでの12時間

先日、富士山に登ろう、と思い立って。5時間後には、五合目の麓についていた。

話を戻すと、ある土曜日の昼下がり、ふと「ああ、富士山に登らなきゃ」と思い立った。

そして、インターネッツという代物で、調べたところ、19時30分に新宿からバスが出ていることを知って。

ああ、ネットって便利。

往復でチケットを購入し、準備に向かう。ああ、カードって便利。

とりあえずドンキホーテ@六本木で、
*雨具(カッパのすごいの)
*トレッキングシューズ
*ライト(頭に付けるの)
を購入(締めて1万円ちょい)

そして、寒いという情報を仕入れたので、冬用のダウン(昔、真冬のカナダに行く時用に買ったダウンでマイナス10度だかに対応したやつ、ちなみに西欧で野宿した時にも大活躍した一品)を詰め込む。

そして、新宿のコンビニで水1リットルとお菓子を購入。

バスの中では爆睡。2時間ほどでバスは五合目に到着。

登り口はいくつかあり、到着したところの情報によると「富士スバルライン五合目(河口湖口/吉田口)」ということが判明。

降りると何もない。さっぱり何もない。街頭もないので暗い!

5人組の男性集団(学生っぽい)が、ストレッチをしているのを眺め、イイナとか思いながら。

腐っていてもしょうがないので、そのまま登山口に向かう(そもそもその登山口の場所さえもよくわからないので警備員に聞く)

そこから6合目は1時間半ほどで到着。疲れは無いものの、朝からジムで走り込みをしてしまった分の疲労がアドオンされ、すでに戦々恐々の状態。少し足が重い。

そこから7合目は勢いで向かうものの、既に乳酸が溜まっているのと、空腹で、カップラーメンを食す(500円。シーフード味)。

しかし、女性が多い。メディア情報によると山ガールが増えているとか聞くけれど、「リアル登山ガール」の数は、男性の2から3倍ほど(当社比)。

富士山でチームで昇る人はどんな会話をしているのだろう、と聞き耳を立てるけれど、「どの野菜が好きか」とかの非常に深遠なる形而上学的トークしか聞こえず、エキサイティング性に欠ける。

あと外国人多し。英語が飛び交ってます。なぜか日の丸のハチマキも多し。

そういえば、ステッキは現地で購入(1200円だったかな)。これは岩場では必須。

ステッキを使って昇るのではなく、ステッキと両足の3点を使って、自分の立ち位置を安定させるのに大活躍。

各山小屋では、この木のステッキに「○合目」といった焼き印をする事業が展開されている。ジェットコースターの写真なみにボロイ商売やなぁ(イニシャルコストがカメラより安い分だけ、もっとイージーかも知れない)と眺め筒。

7合目から8合目が一番キツイ。途中、山小屋がいくつかあるが、「8合目か!」と思ったら、7.5合目などのトラップが多し。

心が折れそうなので、何度か山の途中で眠る。

寒いのも噂通り。特に汗をかいて、その濡れたTシャツと冷えた空気のダブルは相当体力を奪う。

喉もかわくけれどどこのトイレも混んでいるので水をがぶがぶ飲む気にさせない。それも気分を萎えさせる。

8合目辺りで、宿の空き状況を聞くけれど、当然空きなどない分けで。仕方なく、山肌で一眠り。

心が折れそうな時は、iPodの音楽が心の支え。爆音を流しながら、一気に山肌を駆け上る。

なぜか祭りの後I will surviveがよくかかる。

そして、8号目を超えると、一気に気分は楽。

道は混雑するけれど、その分、ゆっくり登りながら、登頂を目指す。岩肌が多くなり、角度も急になる。人もどんどん増えてきて、渋滞。

しかしながら9号を超えると、あとは気分も楽。

そして、登頂に到着したのが、朝の3時半。大体6時間の登頂時間。

多くの人は、そこでご来光を待っていたけれど、そんなマゾなことは出来ないので、おとなしくそのまま直行でUターン。

なお、マチュピチュの隣の山「ワイナピチュ」と比較すると、ヘビー度は300%、美しさはイーブンといったトコロ。

帰り道、4時半頃に、ご来光を眺めることができる。

↑みなで日の出を眺める

一応、昇った証拠に写真でもとってもらうか、ととってもらったところ、全て逆光。当たり前ですが。

その後は、ひたすらダッシュで山を駆け下りる。大体、昇った時の1/3の時間(=2時間)で下山完了。

途中、激しく道に迷って、わけのわからない公道に出たのもご愛敬。

しかし、問題は五合目。

五合目に戻ったのは5時30分なのだけれど、麓に降りる方法がない。

事前にかったバスは10時。タクシーを見つけて最寄り駅までの運賃を聞くも1万円以上。

しかたなく、五合目のレストランでパンを食べながら路線バスの発車をまつこと2時間30分(8時)。

バスに飛び乗り、河口湖の駅まで1時間揺られ、そこから、さらにトコトコと電車に揺られ無事に帰宅。

人生ですべき1000のことのうちの1つが終わって何よりでしたとさ。まる

六本木にて

仕事帰りに六本木を通る。

六本木は、ファンキーな人が多い町である。よって、ファンキーな光景を多々見かけることもある。

たとえば。

たとえば、先日見かけたのは、ある休日の24時くらいの出来事。あるイタリアンの店が閉まっていた。そして、シャッターが閉まっていた。

しかしシャッターには除き穴がついていた。それを覗く人がいる。

カップルだった。男の人が、そのシャッターの中(=イタリアンの店内)をのぞき込み、そして、彼女(らしき人)が、「やめなよ、早くいくよ」と腕を引っ張っていた。

何度か彼女が彼の腕を引っ張る。彼は見続けている。そして、諦めて彼はシャッターの穴から目を離し、道に出ようとする。

すかさず彼女がシャッターの穴をのぞき込む。彼も慌てて、それに追いつき、一緒に穴をのぞき込む。

あの穴の中に何があったのかは知らない。情事なのかもしれないし、新しいピザのお披露目会なのかもしれないし、もしかすると何もなかったのかも知れない。

おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ

とのたまったニーチェ先生の言葉の如く、彼らは僕に覗かれていて、でも、覗いている僕は、その彼らが覗いている先のものは解らなくて。

今でも、たまにそのイタリアンの店の前を通ると、シャッターの穴が気になるけれど、マルコビッチになるのが怖いので覗かない。

またある金曜日の夜の話。

またも仕事帰りの25時か26時の頃。ぐでんぐでんに酔っぱらったカップル。西麻布方面だと、実際に寝ている人もいるけれど、そのカップルはまだそこまでは酔っぱらっていない。

男は40から50歳、女性は25から30歳前後。場所と服装を鑑みるに、夜の仕事中の女性とお客の仕事帰りの男性なのだろう。

彼女の手を引っ張り、六本木の地図の看板に彼女を押しつけ、戯言をしゃべる男。まさに「タワゴト」という表現がこれほどしっくりくる場所もない。

そこで彼はいう。「俺の名前は何だ。言ってみろ」と。そして口づけをしている。

なんとも、風情のある言葉である。

千と千尋のラストシーンを髣髴させるような、そして、そこからアニメ繋がりで「美女と野獣」まで思い出し「おお、彼の名前をきちんと言えれば、彼は美男子に戻るのか」という想像までたどり着くこと請け合いである。

あるいはRihanaのWhat’s My NameをBGMにしながら、

hey boy I really wanna see if you can go downtown with a girl like me

といったフレーズがダブって見える夜で。そんなこんな。

恐らく昔の六本木の華やかさとは違うのだろうけど、それでも、なんだか色っぽい町だなぁ、と思う昨今でした。