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何も起こらない小説「国道沿いのファミレス」

ああ、この本は間違いなく面白いな、と確信を持って手に取る本が年に数冊ある

そのうちの一冊が「国道沿いのファミレス」だった。

この勘はどこから来るのかよくわからない。一つはタイトルの妙味だと思う。タイトルが刺さる本は間違いなく中身も刺さる

過去にタイトル買いをしてヒットした本としては「僕のなかの壊れていない部分(白石一文)」「夜の果てまで(盛田隆二)」「水曜の朝、午前三時(蓮見圭一)」「永遠の1/2(佐藤正午)」などが思い返される。

しかしタイトルだけでなく、出版社、装丁、帯なども加味されて、その勘は動いているような気がしないでもないけれど、いずれにせよ、そういう勘に引かれて、この本を手に取った

結果、久しぶりに面白い小説を読んだ(正確にいえば前回面白いと思った本よりも4冊のピンとこない本を得て当たりを引いた)

とはいえ、これは、好きな人と嫌いな人にわかれるだろうな、と思う。いわゆる「村上春樹的」なものが好きな人が。より詳細にいえば「本多 孝好」や「中村 航」が好きな人には、刺さる本だと思われる

何も取り立てて大きな出来事が起こらない日常。ただし、その描写とメタファーやアナロジーがぐっとくる、といったような

当方、読書をする時は、好きな一文をラインをひいていて(そういう意味でKindleのなぞるUIは、ペンで線をひくよりも少し時間がかかってストレス)

で、今調べると10ページほどにラインが引かれていたのだけど、どの箇所も、その1文だけひっぱると非常に語弊があるような一文ばかりで。

ということで、久しぶりに本の紹介まででした

国道沿いのファミレス (集英社文庫)
畑野 智美
集英社 (2013-05-17)
売り上げランキング: 26,009

今すぐ読める!Kindleで購入できるオススメの長編小説まとめ(15作品)

けんすうの「今すぐ読める!Kindleで購入できるオススメのマンガまとめ(17作品) 」という記事にインスピを受けて、長編小説版を書いてみたいと思います

長編小説は、紙で買うと蔵書でかさばるし、旅行にもっていくにも重いですが、Kindleなら安心。いまこそ、読むチャンスであります!

※「全N部」は、目算なので間違いがある可能性があります
※ 読んだものをピックアップしているので、読んでいないのは触れられていませんのでご容赦ください(たとえば平家物語とか)

森博嗣:S&Mシリーズ(全10冊)

すべてがFになる THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)
講談社 (2012-09-28)
売り上げランキング: 112

S&Mシリーズですが、SMは一切関係ないのでご容赦ください。大学教授で推理小説かの森さんのデビュー作。

推理小説好きな方は良いのではないでしょうか。今後のVシリーズや四季シリーズとかとも繋がっているという意味では、10冊以上のシリーズがあります

吉川英治:三国志(全7冊)

三国志 (1) (吉川英治歴史時代文庫 33)
吉川 英治
講談社
売り上げランキング: 6619

三国志といっても、いまや「横山光輝」版「北方謙三」版もありますが、王道としては、やはり吉川英治。

諸葛孔明、泣けます

北方 謙三:水滸伝(全19冊~)

水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)
北方 謙三
集英社
売り上げランキング: 52946

最高文学の1つ「水滸伝」。涙なしには読めません。最近回りで読んでいる人をちらちら耳にする、何かで流行っているのかな?

これの続編である楊令伝も無事完結。そして最後の「岳飛伝」が執筆中という壮大な物語。

ドストエフスキー:カラマーゾフの兄弟(全3三冊)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)
ドストエフスキー
光文社
売り上げランキング: 2723

ロシア文学では「罪と罰」と双璧をなすお約束のシリーズ(プラス「アンナカレーニナ」)。兄弟全員の名前がいえれば、あなたも立派な村上春樹ファン

白眉と呼ばれている「大審問官」のパートだけでもいかが。

山崎 豊子:不毛地帯(全5冊)

不毛地帯 (第1巻) (新潮文庫 (や-5-40))
山崎 豊子
新潮社
売り上げランキング: 13197

山崎豊子先生の代表的作品の1つ。最近はドラマ化もされたのかな

シベリアから商社マンへいたる壮大なお話

石田 衣良:池袋ウエストゲートパーク(全11冊以上)

池袋ウエストゲートパーク (文春文庫)
石田 衣良
文藝春秋
売り上げランキング: 22179

通常IWGPだっけ。テレビ化もされた石田衣良さんの代表的作品

恋愛あり、謎あり、泣きありの素晴らしい小説群

京極 夏彦:百鬼夜行シリーズ(全14冊~)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)
京極 夏彦
講談社
売り上げランキング: 3866

推理小説。妖怪関係のタイトルがついているけれど、別に妖怪小説ではない

トリッキーな登場人物たちのめくるめくパラダイス

大沢 在昌:新宿鮫(全10冊以上)

新宿鮫 (光文社文庫)
新宿鮫 (光文社文庫)

posted with amazlet at 12.11.25
大沢 在昌
光文社
売り上げランキング: 5218

大沢さんのハードボイルド小説。警察が主人公。こういう設定が好きなら良いのではないでしょうか。

新宿鮫の名の通り、新宿が舞台になっている(けど、新宿関係ないことも多い気がする)

伊坂 幸太郎:オーデュボンの祈り

オーデュボンの祈り (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
新潮社
売り上げランキング: 3586

オーデュボンの祈り は、これで終了だけど、伊坂氏の小説は、全て繋がっているので、そういう意味では、シリーズの1つとしてピックアップ

この一冊でデビュー。個人的には「重力ピエロ」の方が好きではありますが。

奥田英朗:精神科医伊良部シリーズ(全3冊~)

イン・ザ・プール (文春文庫)
奥田 英朗
文藝春秋
売り上げランキング: 2841

精神科医をテーマにした小説。なんだか、楽しく読んだ記憶はあるけど、あんまり覚えてない

浅田 次郎 :蒼穹の昴(全4冊~)

蒼穹の昴(1) (講談社文庫)
浅田 次郎
講談社
売り上げランキング: 11943

ポッポ屋、浅田さんの代表作の1つ。清の時代をテーマにした歴史小説。「珍妃の井戸」とかも続編にあたる。

「成長小説」の王道とでもいうのでしょうか。少年が運命の寵児として活きていく様は圧巻

垣根 涼介:ヒートアイランド(全4冊~)

ヒートアイランド (文春文庫)
垣根 涼介
文藝春秋
売り上げランキング: 33355

ヤクザとか「ギャング」とか、そういうドンパチ系の話。タランティーノ好きな人には良いかと思うのですが、いかがでしょうか

筒井 康隆:家族八景(全三部)

家族八景 (新潮文庫)
家族八景 (新潮文庫)

posted with amazlet at 12.11.25
筒井 康隆
新潮社
売り上げランキング: 4766

筒井康隆先生のSF小説。人の心が読める女性が主人公。

3部作なのだが、三冊目の「エディプスの恋人」はKindle化されていないという片手オチ(理由は想像できるけど)。

林 真理子:バブル三部作

不機嫌な果実 (文春文庫)
林 真理子
文藝春秋
売り上げランキング: 204032

バブルの時代の恋愛を描き取ったお話。この「不機嫌な果実」はドラマ化もされていたかと

三部作の割には「ロストワールド」「アッコちゃんの時代」はKindle化されておらず、待ちですね

藤原 伊織:テロリストのパラソル (全二冊)

テロリストのパラソル (講談社文庫)
藤原 伊織
講談社
売り上げランキング: 52480

全二冊ですが、どうしても入れておきたかった氏の本。

「テロリストのパラソル 」と、その時系列的続編にあたる「シリウスの道」。大好きな作家でしたが、2007年食道癌で他界。よって、これ以上、この続編はでません

2010年面白かった小説10冊

さて、年末なので今年読んだ本のおさらい。

バックナンバーは以下。

母数として、今年読んだ小説は100物語、前後。移動が多かったので(海外/大阪等)、その時に5~10冊をまとめ読み、みたいな感じでした。

以下、記憶に残っている「面白かった」ものを並べてみました(記憶から墜ちているのも多そうだけど・・・)。傾向としてはやはり「青春系」「文章上手系(構成よりも)」に惹かれる模様。

10位:石田 衣良:愛がいない部屋

愛がいない部屋 (集英社文庫)
石田 衣良
集英社
売り上げランキング: 169118

私の中で「恋愛小説を読みたい時に手に取ってしまう作家」の位置づけである石田さん(辻仁成氏からリプレイス。女性版は山田詠美氏)。

これはマンションをベースにした短編集。

他にも今年は、40、オトナの片思い(アンソロジー)など相変わらず手に取ってしまう石田さんの本。

なお、上記は「マンション」を軸にしているけれど、吉田さんの「初恋温泉 (集英社文庫)」は温泉軸。

温泉がテーマの小説は珍しく、楽しく読めた。

9位:グロテスク:桐野 夏生

グロテスク〈上〉 (文春文庫)
桐野 夏生
文藝春秋
売り上げランキング: 7148

桐野さんの本は、いつも「読むの重い・・・」と思いながらも手を取らずに得られないという不思議な魅力を持っている。

内容も暗くてヘビーなのに、ぐいぐい読んでしまう。これはお嬢様校出身の女のコの堕落論的な物語。

正確に言えば、過去に話題になった東電OK事件を元にしている一冊。これが面白かったら会わせて「東電OL殺人事件 (新潮文庫)」を読まれることもオススメします。

なお、他にミステリーとしては「冷たい校舎の時は止まる (上) (講談社ノベルズ)」は楽しく読んだ。似たミステリーとしては「イニシエーション・ラブ (文春文庫)」もそれなりに面白かった。

8位:ザ・ドロップアウト:高崎 ケン

ザ・ドロップアウト (アルファポリス文庫)
高崎 ケン
アルファポリス
売り上げランキング: 278590

小説というか自伝。概要を引用すると

一流大学を卒業し、一流企業に就職。絵に描いたように順風満帆な人生…のはずだったのに、現実はどうだろう。金のために、夢や自由を捨てて、意に沿わない仕事に従事する日々。本当のオレはこんなじゃない!がつんと上司に退職願いを叩きつけ、新たな一歩を踏み出したものの、待っていたのは厳しい下流生活だった!ホスト、AV男優、テレビAD、バーテン、そして派遣社員としての地獄のような毎日…勢いに任せ退社した男が歩んだ屈辱と再生の道。―これは、もう一人のあなたの青春物語。

な感じ。高橋歩氏を少し髣髴させる(ベクトルが違うのであくまでも少しだけだけど)。

7位:虐殺器官:伊藤 計劃

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
伊藤 計劃
早川書房
売り上げランキング: 457

けんすうに教えてもらって読んだ一冊。

今は文庫化?され平積みになってますね。

SF小説で、ガンダム/エヴァ+ミッションインポッシブル/メタルギアソリッド的な。マッチョな一冊。

ただ、散髪屋のお姉さんに「おすすめ本は?」と聞かれて紹介したところ、それなりに楽しんで読んだそうなので、女性も好きな人はいるかも知れない(大きいくくりでは西尾維新に近い?)

ただ、夭折されてしまったそうで悲しい限り。

6位:アッコちゃんの時代:林 真理子

アッコちゃんの時代
アッコちゃんの時代

posted with amazlet at 10.12.26
林 真理子
新潮社
売り上げランキング: 364967

田口さんの記事きっかけで読む。

バブル期の女性が主人公(実在の話をベースに)。古き良き時代の六本木等の話も多く、なんだか切なく読んだ。

関連(六本木繋がり?)としては甘粕さんの「みちたりた痛み 」や家田さんの「縄張り―死の六本木抗争 (祥伝社文庫)」なんかも面白かった。

5位:月曜の朝、ぼくたちは:井伏 洋介

月曜の朝、ぼくたちは (幻冬舎文庫)
井伏 洋介
幻冬舎
売り上げランキング: 264494

青春モノ。学生時代の友人たちが30前後?になった時の物語。

転職あり、結婚あり、起業ありなどなど。自分との年齢の親和性からか面白く読んだ。

この作者の本は初めて。他何か有名なのあるのかな?

4位:夜は短し歩けよ乙女:森見 登美彦

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見 登美彦
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 2656

森見 登美彦氏は、2007年に「水曜の朝、午前三時」をピックアップして以来。

森見ワールド的な世界観と癖のある文章(パクチー的な)は、ハマルと楽しい。
※個人的には「四畳半神話大系」 はピンと来ず。

また、蛇足だけど、「歩く関連」としては、恩田さんの夜のピクニック (新潮文庫)、奥田さんの「真夜中のマーチ (集英社文庫)」はピンとこなかった。

なお、似た作風として揚げられることが多い万城目氏ですが、鴨川ホルモー (角川文庫)は個人な趣味ではなかったのだけど、話のネタにはちらちら出た一冊。映画化の関係かな?あとインパクトのあるタイトル。

なお、森見さんと舞台も文体もなんか似てると思ったらホゲホゲという話を聞く。

3位:ストーリーセラー

Story Seller (新潮文庫)
Story Seller (新潮文庫)

posted with amazlet at 10.12.26
新潮社
売り上げランキング: 11296

アンソロジーを選ぶことは滅多にないのですが、この一冊は印象に残っているため。

というか具体的には有川さんの「ストーリーセラー」が傑出。あと米澤穂信氏「玉野五十鈴の誉れ」 、ストーリーセラー2の「伊坂幸太郎の合コンの話」の3編が白眉。

2位:不毛地帯

不毛地帯 (第1巻) (新潮文庫 (や-5-40))
山崎 豊子
新潮社
売り上げランキング: 36945

テレビ化された影響で読む(ドラマは見てないから解らない)。高度経済成長期の商社の話。

この影響で山崎氏の「沈まぬ太陽」「白い巨塔」「華麗なる一族」も読んだが、全てレベル高くて驚愕。

さすが元記者。ドキュメンタリーとして読める。今まで喰わず嫌いだったのを猛省。

1位:水滸伝:北方謙三

水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)
北方 謙三
集英社
売り上げランキング: 28047

ぶっちぎりの面白さで貪り読んだ。全19巻。

中国の「水滸伝」を下敷きにしてふくらませた一冊。ストーリーの面白さに加え、北方節が全快でぐいぐい読ませる。

氏の三国志も面白いが、水滸伝は三国志よりも自由に書いており、また三国志の経験を踏まえた文章が力強く、こちらがマッチベター。

梁山泊というと日本だと社名を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、これとそれは全く関係なし。慣用句でたまにでる「水滸伝」の元ですね。

ストーリーはWikipediaによると

時代は北宋末期、汚職官吏や不正がはびこる世の中。様々な事情で世間からはじき出された好漢(英雄)たちが、大小の戦いを経て梁山泊と呼ばれる自然の要塞に集結する。彼らはやがて、「悪徳官吏を打倒し、国を救う」事を目指すようになる。

108人が結集していく様子は、ギリシア神話からドラゴンボールなどにも流れている英雄奇譚的な骨子。

なお続編の楊令伝も最近、完了したとか。その後はさらに第三部もあるという長編。

本:とにかくすぐやる人の仕事の習慣

とにかくすぐやる人の仕事の習慣
豊田圭一
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
売り上げランキング: 1447
おすすめ度の平均: 5.0

5 すぐやることで仕事の質が上がる
5 ”すぐやる人”になりたい方必見

豊田さんが新刊を出されたそうです。献本御礼!
「すぐやる人」の代名詞である豊田さんのテクニックやポリシーなどの本。
冒頭にも書かれていますが、

すぐやるは性格ではなくスキルの問題だと思っています。

という言葉に哲学が集約されているのではないかと。
「時間とうまく付き合う方法」「手帳、メール、電話の活用法」「ネットワークを作る」といった風に生活全般のノウハウが書かれています。
ちなみに、実際、本書(と今までの著書)にもあるように、氏の「メールの返信速度」はチョっ早で驚くほど。こちらが送信してから、1分かかってない時もあるのではないでしょうか。
あと、本書で「まずは、他の人にできることをする」(いわばギブ&テイクのギブを最初に)という点が書かれていますが、実際に氏はそのようなスタンスで素敵!
このようなテクニックに興味のある方はどぞ!
※お詫び
>他に献本下さっている方々
まだ読めておらず申し訳ありません!!お恥ずかしい限りです。

2009年に読んだ小説 12冊。

さて。個人的に毎年行っている「その年に読んで面白かった小説」まとめ。5年目ー。
昨年は、ビジネス系の書籍に偏りまくったので、小説は30~40冊くらいしか読めていない気がします。ちなみに小説を読むのは、ほぼ電車の中のみ。
ともあれ、過去のは以下。あと今回も12冊ではないですが、12冊なのは仕様。それと、敢えてマニアックなチョイスにしてみました。

他の本に関しては以下もご参考まで。
» 読んだ本

6位:血と骨

血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)
梁 石日
幻冬舎
売り上げランキング: 154494
おすすめ度の平均: 4.5

5 金俊平 一人の男して憧れる
5 頭が下がります
5 凄まじい小説
5 身内にいたら嫌!・・・だけど憧れる自分がいる(苦)
5 読む者を圧倒する骨太の骨と、熱い血

映画化もされたので有名ですが。パワーみなぎる一冊。読んだの一昨年だっけな。
あと、以下も非常に勉強になりました。
» 闇の子供たち (読んだ本)

5位:眠らない女

眠らない女―昼はふつうの社会人、夜になると風俗嬢 (幻冬舎アウトロー文庫)
酒井 あゆみ
幻冬舎
売り上げランキング: 27496
おすすめ度の平均: 4.5

5 風俗嬢の来し方行く末
4 いやあ、勉強になります
5 ふたつの世界を生きる女性たちのお話

ノンフィクション。ドキュメンタリールポ。
酒井さんの本は面白い。大枠では似たジャンルの家田荘子氏の本も良いのではないかと。たとえば以下。あと「出張ホスト」とか。
» バブルと寝た女たち (読んだ本)

4位:無間地獄

無間地獄
無間地獄

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新堂 冬樹
幻冬舎
売り上げランキング: 242622
おすすめ度の平均: 5.0

5 暗黒ストーリー展開の妙。
5 金金金ば窶セい
4 これだけ真っ黒な暗黒小説も珍しい
5 スゴイ
5 劇画のような面白さ

ダークでダーク。裏社会系小説。
最近、小説ではこのような自分の知らない世界系やドキュメンタリ系の本を手に取ってしまう。上記の酒井さんの本とか、下記の歴史モノだとか。
他、似た系列では以下。
» 金王~池袋アンダーグラウンドの「光」と「闇 (読んだ本)
» 闇金ウシジマくん (読んだ本)

3位:浅田次郎

蒼穹の昴(1) (講談社文庫)
浅田 次郎
講談社
売り上げランキング: 840
おすすめ度の平均: 4.5

5 近代中国をここまで面白く書けるとは。
5 浅田作品の最高峰!
5 こんなに夢中にさせてくれた作品は久し振りです。
3 後半が残念
5 時間を忘れます。

読み応えのある一冊。この人は文章がいい。そして、同時にたぐいまれなる人間味溢れたストーリーテラー。
お涙頂戴小説が有名だけど、歴史モノにも強し。

2位:1Q84

1Q84 BOOK 1
1Q84 BOOK 1

posted with amazlet at 09.12.29
村上 春樹
新潮社
売り上げランキング: 64
おすすめ度の平均: 3.5

3 中身があるような、ないような・・・
2 BOOK1の感想
5 構造的
5 「書きっぱなし」に対して
4 面白い方だと思います!

これもまぁお約束。
詳細は以下。
» 1Q84(基本ネタバレなし) (いけいけどんどん)

1位:三国志

三国志 (1) (吉川英治歴史時代文庫 33)
吉川 英治
講談社
売り上げランキング: 2136
おすすめ度の平均: 4.5

5 全8巻の読破もあっという間
3 入門者には不向き
5 三国志に神を見た
5 諸葛孔明
5 三国志には詩がある

正確には今年読んだのではなく、2008年の暮れ。読み終えるとしばらくは、三国志の比喩が抜けない。
諸葛孔明を知るならこの一冊。
そんな感じでした。

書評:「いま会社がなくなってもすぐ次が見つかる人になる33のステップ」

すぐやる人の代名詞である「豊田圭一さん」が新刊を出されたそうです。
献本御礼と共に、いくつか引用まで。

こちらの本は、タイトルにあるように、ビジネスでの力を付けるための方法が紹介された本。プレゼン力や人脈力、コミュニケーション力などなど。
社会の雇用環境がより流動的になる昨今では、本書にもある自分の市場価値というものがより重要になるのでしょう。
それで思い出したのですが、先日、何かでみたニュース。
その人は社会保険庁に務めるおじさん(40だか50歳だか)。今回の削減もろもろの波に呑まれ、リストラされるとかしないとか。なぜ、その人がリストラ対象になるかというと、過去に1度、知り合いの支払い歴などをチェックして懲戒を受けた過去があるから。
それに対して彼はこう言います。「今までこれだけ働いてきたのに1度の失敗で、こんな仕打ちを受けるなんて。どうして生きていったら良いのか」と。
それを見て少しカルチャーショックを受けたのを憶えています。というのも、「給与や待遇は、その人の市場価値によって決まるものである」と考える立脚点からみれば、「いくら社保庁を首になったとはいえ、自分の能力を活かして、他の仕事をする道がある」という考え方があり、逆にいえば、「他の場所で、それだけの評価を受けることができないならば、それなりの生活をすべき」という考え方があったからです。
もっとも、日本の労働環境は終身雇用を前提とした年功序列や、転職者へのマイナス評価なども鑑みれば、確かに、その年齢でいきなり市場に出されるというのはコクかもしれません。いわば、ペットとして飼われていた室内犬がサバンナに放り出されるようなものなのかもしれないです(人を動物に例える比喩のまずさはともかく)。
まぁ、でも、ともあれ、社会というのは、そのような社会になってきており、このような「至上価値」という言葉は今後、さらに耳にするようになるのかもしれません。
以下、いくつか引用。
■テンション

仕事に必要なものって何でしょうね?」
と質問してみました。
それにタイする高瀬さんの答えが
「テンションの高さ以外にないだろ!」

■女性
男性のレビューはオブラートに包まれていることがあるのに対して、女性のレビューは往々にしてストレートであるということを指して以下。

女性は思ったことをズバっといったりします。

これ分かる気がしますね。異性からのレビューは、想定外のツッコミが多い気がします。
■ブランド品

ブランド品の仕立てが良い服をきるとそれだけで気持ちがシャキっとします。

某先輩から、そう言われたことありますな。
コンサルなら、ランチは1500円以上、ノートはモーレスキン、ペンはどこのブランドでもいいから万年筆って。
「ランチで1500円以上って探す方が時間かかるぜ先輩」と心ながらに思ったのを憶えています。
ということで、ビジネスパーソンな方々はいかがでしょうか!?
※ご関係者各位
書評10冊以上溜まっておりまして、申し訳ありません・・・。ありがとうございます!順次、拝読させて頂ければと思います。

1Q84(基本ネタバレなし)

ブログのコメントでで村上春樹の1Q84に関するリクエストを頂いたので、それについて。僭越ながら。

1Q84 BOOK 1
1Q84 BOOK 1

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村上 春樹
新潮社
売り上げランキング: 8
おすすめ度の平均: 4.0

4 わかる、わからない、わからない、わかる、、、
5 わかりやすいしおもしろい
3 トカトントン
3 面白いが好きになれない。もっと説明すべきでは?
4 いい作品。でもカタルシス1点減点

いやはや、ここ10日以内にも4人くらいと1Q84の話が出た記憶があり、やはり、まだある種の書籍は「話題の共通のマテリアル」としての価値を持っているんだなぁ、と改めて感じる。
そういう意味では、ドラゴンクエストの最新作やiPhoneなども、ある種のクラスターにおいては、十分の共通のマテリアル性があるのだろう。ニッチかもしれないし、あるいは、かなり限定された条件下においてかもしれないけれど。
さて、感想として、ネタバレをするかしないかで、書ける内容が非常に限定されるのだけれど、敢えてネタバレしない形で、あたり障りのない範囲で、うまく書いてみようと思う。ただ、全く事前情報知りたくない人はご注意(その箇所は※以後危険と記載しておきます)。書き終えてから見直しましたが、一応、未読の方でも問題ない構成にしたつもり。
結論から言えば、面白かった。それは、「村上春樹らしさが存分に出ている」という点において、という意味だけど。つまり、神の子やカフカあたりからの系譜とは少し異なった本流に少し回帰したという点では面白かったのではなかろうか。ただ、それではこの本が「ピンボール」や「ノルウェイ」のように、引っ越し先にも持って行きたい一冊かというと、結構悩むかもしれない。それこそポールオースターのムーンパレス(リヴァイアサンは永久書庫確定済み)か伊坂幸太郎の「死神(砂漠は永久書庫確定済み)」と同程度の良さだったように思う。むしろ、「走るときについて・・・」の方が再読可能性は高いような木はするけれど、それは私がマラソン好きだからだろう。
あ、あと他の人の話やWeb上の話でも出ているけど、これに続編があるとかないとか(ある方の可能性の方が高そうではあるけれど)。「1q84 続編 – Google 検索」などを見ると、さもありなん、とは思うけれど、個人的には、これはこれで完結していてもいいんじゃないのかなぁ、と思う。ただ、続きがあってもそれはそれで良いけど、なくてもまぁ、悪くないのではないか、と。理由としては、「続編<新刊」という指向性があるからというだけ。
ただ、残念ながら昔のように「熱狂」はできなかったのも事実である。ただ、それは物語の本質とは関係なく、私が年をとった(という表現で表すところの社会性だとか環境の変化)からであろうと思う。愛と幻想のファシズムのように翌日、何も手が着かなくなるということはないし「夜の果てまで」のように、読了後、誰かに電話をしたいという衝動に駆られることはないし、「ぼくは勉強ができない」のように翌日、学校への歩む速度が変わることもない。でも、それはそれでそういうものだ、と思うしかない種類のもので、きっとそれは1Q84は何も悪くない。
さて、やっと本題。
まず、小説をメタ分析してしまう1人としては、「過去の宗教関係者へのインタビューがこんな形で物語りになるのね」という意識だった。いや、彼が過去にオウム周りで取材をしている時に「これが血肉となった。時間はかかるが、いつか小説に云々」という話を大分前(7、8年近く前?)にしていたので「おお、こいう形でよみがえるのね」と参考になった。というのも、ブログを書いていて思うのだけれどこんな話を考える。たとえば、一緒の出来事を共有した人がいる。その人がブログでそれを書くとする。他の人もそれを書くする。自分がさらに書くとする。そうすると、当然ながら物語は3つ登場する。テーマは一緒だけれど、主観が異なれば、まったく違った文脈がそこに表れる。
それは勉強会などではある程度どこかに収斂するけれど、出来事やイベント/旅行といったかなり独自性(ないし、個人の指向性)が反映されるアクティビティにおいては、それらの見方はまったく異なる。そういう意味で、物語の再現性(正確にいうと、リメイク兼言語化)は、興味深いと思うのだ。他の小説家でもたとえば911事件を人それぞれに描いていたり、あるいは村上氏自身も神戸大震災をテーマに異なった物語をいくつも紡ぐように、人の立場が変われば、同じ出来事はまったく違う意味を持つ。以前、友人とお酒を飲んだ時に、「私が感じであろう視点で書く」という離れ業をしておられたことがあって、つまりは、相手は原田がどう感じたか?という点を推測して、同時にそこに自分を内包しながら再構成するという離れ業をしておられた。それは「立脚する視点に自分を含有するが、その立脚する主体も自分(つまり、相手の視点にたつ場合、相手の視点は自分の所作がどうであるか?という点の分析となるが、その分析対象が自分であるという点では、自分がどう思ったか?という点が含有されている)、という不確定性定理(先日の講演で久しぶりに聞いた)にも似た興味深い行為となるが、それはまた別のお話。さらに蛇足で言えば、最近読んだ「イニシエーション・ラブ (文春文庫)」の視点のズレを活用したトリックはそれで面白かったけど、かなり関係のない話。
いずれにせよ、そのような「出来事の文章化」は過去にも書いた「日常を非日常化」する行為でもある。つまり自分にとっては、「ありきたりの陳腐な日常」であっても、それを言語化し、そして、リメイクすれば、それは「非日常」として生まれ変わる。それはある種の儀式のようにも見えるし、ある種の精神安定効用でもある可能性だってある。
そのようなことを1q84を読みながら最初に感じた。あと、そのようなテクニックで言えば、「最初に暗示を提示して物語をすすめる」というテクニックも、わかりやすくて参考となった。つまり、違う例で言えば、最初に「僕は死んだ」といって始まる「ほたるの墓」のように、あるいは、タイタニックの「船に投げるネックレス」から始まる物語と同じように、最初に出したテーマに沿って伏線を回収しながら物語をすすめていくという流れは、(構造主義的観点から言えばベタかもしれないけれど)、やはり吸引力があるよな、と思う。
あとはサブカルチャーの使い方も素敵だった(蛇足続きだけど、ノルウェイで出てきたキュウリに海苔を巻いて醤油を付けて食べるという食べ物には感銘を受けて、学生時代、よく食べてた)。もう一つは、小説の作り方として「今のリアルの現実を少しずらした世界」の価値というものを改めて感じた一作だった。というのも、もしあなたが小説を書こうとする場合、どのようなものを書くだろうか?おそらく、自分の過去の延長や、あるいは、自分が夢見た世界あたりが多くなるのではなかろうか(推測なので違うかもしれない)。ただ、もう一つの虚構の作り方としては「現実でない世界をいかに創るか?」ということが重要であるようにも思う。というのも、上記の「日常を非日常化する」という点とも対となるのだが、「非日常を日常とする世界」がそこには生まれるからである。たとえば「魔法が使える世界(ハリーポッター)」「かかしがしゃべる世界(オーデュポンの祈り)」「人の心が読める(家族八景)」など、少しずれた世界(現実にはあり得ない設定)を書き出すことが、小説の新しい世界観を生み、それが小説としての礎となりうるからだ。そういう点では、この世界観は非常に参考になるものだった。
さて、本題に入ったつもりが、これっぽっちも本題に入ってなかったので、改めて本題に再突入する。
(※以後一応注意)
ポイントとしては、月である。この小説を彩る道具の一つだ。この月に関して書く。無鉄砲に書く。
先日、七夕だった。とあるお店(一応注釈:変なところではない)の人が「満月の七夕って19年に一回って知ってました?」と言った。へえ、と思った。なぜ「へえ」と思ったかというと、「何気ない七夕なのに19年に一度」という設定が付与されるだけで、とても価値のあるような日に思えるからだ。まぁ、これは今のマーケティングでは当たり前だけど、それでも、ふと知り合いの口から聞くと、何だか、その七夕の日がとても高尚のようなものに思える(とはいえ、何もしなかったけど、それはそれで別のお話)。
というのも、そのついその少し前の日、あまりにもくたびれて深夜前、過去の上司(近所にいると想定)に「お酒!」とメールをすると「珍しい。満月だからか」的に返事が返ってきて(他意はないと思われる)、「おお、月というのは、そういう力があるのかしら」と思った。どうでもいい補足情報だけど、文脈の説明をすると、実際、私はお酒が苦手なので自分から唐突にお酒を飲みに行こうということは、かなり稀。確かに、満月の日は犯罪が増えると聞くし、物語でも、狼男の話もご存じの通り。月は、何かしら人を左右するものなんだなぁ、と感じておった。
さすれば、ちょうど、その前後の日に「ムーンパレス」の話を聞いて、おお、月だ、と思った。説明しておくとムーンパレスは、ポールオースター巨匠を代表する(と原田が考える)一冊で、青春小説。このムーンパレスという名称はマンハッタンにある中華料理を指していて、直接、月の話はあまり出なかった気がするけれど、冒頭では、初めて人間が月に立ったというエピソードが重ねられており、やはり月の話が散らされて「何か」のモチーフとなっていた。
まず一回、月の話を置く。
次に、この物語の中で、「いつかどこかでその人と、ばったり町角で出会うかもしれない」という人がいた。つまり、過去に会ったことのある人がいて、その人はいまどこで何をしているかもわからない。調べようと思えば調べられたとしても、探さない。いわゆる「偶然の邂逅」を望んでいる。
いい話だ、と思った。
どこがいいかというと、「神様とダンス」している感じが良い感じだ。ここで言う神様というのは、「存在しないけれど、存在すると人が共同幻想を持つことが重要な意味を持つあがめ奉られる対象」である。
もしかすると会うかもしれない。会わないかもしれない。それがどうなるかは神様のさじ加減一つ。ただ、自分からアクションを起こす必要はない。失敗して傷つくこともない。ただ、会ったら自分に何かが起こるだろう、と心境を置く。つまりは、「世界が変わるかもしれない」というトリガーを日常に紛れさせておく。それによって日々が彩られるかもしれないし、あるいは、「いつかどこかで」物語が始まるのを待つことができるだろう。
個人的にも、便宜的には、偶発性に意味づけを付与することがあり、それは現代の処世術として非常に有効だ(だからこそ、スピリチュアルや宗教は常に存在する)。そして、その偶発性を事前に設定することは、上記の前提として、同時に有効である。
そこで考えた。
「自分がいつか再会したい」と思う人はいるだろうか、と。
もちろん、いるのはいるけれど、連絡先がわかる人だったり、あるいは、会うことがあるだろう、とわかっている人がメインだ。いまやSNSやGoogle先生を使えば、大抵のことは調べられる。
ただ、「いまその人がどこで何をしているか」を知らなくて「友人やツールなどを使ってもたどれない人」というのは、かなり少ない気がする。あるいは旅行先で出会った人などは、その範疇に入るかもしれない。いまでこそメールアドレスの交換はできるけれど、それでも旅先でメールアドレスを交換するのは、そうそうたやすくない。NYに留学している時に出会った友人の何人かは、もはや一生コンタクトができないだろう。そして名前を思いだそうにも、ファーストネームしか憶えていなかったり。そういう人と、いつか街角で再会するかも、と考えるのは、なかなか楽しい。
いつかどこかの街角で、というような。
というこの偶発性の物語。これが月の存在と絡まり、「偶発性を偶発性ではなくする物語」がそこに生まれている。そもそも、小説というものは恣意性があるだけでなく、「偶然が起こらなかった時の出来事は物語化されないのだから、物語化されている物語は全て偶発性が必然に起こる」というテーゼも内包され、そして、その偶発性が、「しかるべき設定」で説得力を持つことが重要となり、その点で、これは月と偶発性が綺麗に絡まり合った物語だな、と感じた。
そして、何より、この二つのテーマを出したのは、この二つが自分の世界とも絡み合っていたからだった。小説というものを娯楽とみるか、なにかの指針とみるかでその意味づけは異なるけれど、後者となった場合、この物語は「私にとってどのような価値があったか?」という基準で図られなければならない。そのような点で、この二つは非常に有意義な価値を持つことになる。
そして、何より、この本をこのようにブログのコンテンツ化できる、という点でも、この本は読む価値がある一冊だといえる。

アットアグラ

その町を人はアグラ、と呼んだ。日本語では胡座を連想してしまうかもしれないけれど、そのメタファーを使うなら、さしずめそのアグラは夏がチャンチャンコを着てちゃんぽんを食べているような力士がアグラをかいているような町だった。つまりはひたすら暑かった。でもこれは今思い返せば暑かったのであって、当時はあまり暑くなかったのかもしれない。私はすぐ後からの知識や会話で記憶を上書きしてしまう。
そのホテルは、アグラでいうならば中級くらいだろうか。他のホテルと同様に1日10時間以上は断水していたけれど、それでも、3階の窓から差し込む風はなかなか気持ち良かったように思う。部屋には大きなベッドが真ん中に1つあり、その上には私の洗濯物を干す洗濯紐がぶら下がり、そして壁にはよくわからない穴が空いていた。穴から何が出てきたっておかしくないけれど結局出たのはため息だけだった。
確か衣類を入れる心ばかりのクローゼットがあって、そして重鎮な机が一つだけあった。窓が大きいのだけが取り柄だった。映らないテレビも、どことなく哀愁があり嫌いじゃなかった。
夕方から町を散歩した。散歩しながら、道ばたで売られているトウモロコシを買った。30円だか50円だかの焼かれたトウモロコシは、他の町よりも少しそっけなく、少し甘かった。トウモロコシが一番うまいのはジンバブエだ。これは憶えておくといつか役に立つこともあるかもしれない。しかも物価も一番安いのだ。そりゃ8本買ってきてルームメイトにあげても誰も批難しないだろうと思う。でも、実際は批難されたのだけれど。「こんなもん晩飯になるか!」と。
たまにネットカフェにいった。Windows95だった記憶がある。ブラウザは当然IEで、ダイアルアップ接続だった。20分くらいに1回、回線がきれたけれど、そういう時はドアの外からアグラの町を眺めていた。みな何となく歩いていた。何となくあるく人は東京ではあまり見ないな、と思う。何かしらの指向性と節度を保った歩き方は近代化に必要だったものなんだろう。当時はHotmailを開いて、旅行人という旅行者用のBBSを眺めて。いくつかメールを書いて、いくつかCGIの掲示板スクリプトに日記を書いて。
中華料理をよく食べていた。近かったし、夜、ちゃんとテーブルで食事をするにはあまりにも他の選択肢がなかったのだ。もう少し町の方にいけば良かったのだろうけど、そこはネパールでいうマウンテンビューのようなところで(なんとも説明にならない例えだ)、つまりは控えめに言うところの「落ち着いた地域」、率直に言うところの「何もない場所」だったのだ。でも、そんな場所のホテルを撮ってしまうほど、身体はくたびれていたし、そもそも町でホテルをとる利点がレストラン以外に思いつかなかったのだ。

キュートでクラッシュなジーパンでデジャヴュ

ザイーガで以下の動画をみかけて。

まぁ動画はなんだっていいのだけど、音楽が耳について思わずiTunesで買ってしまい、耳にこびりついてしまいました。歌詞がえらく青春ノスタルジック。
「フレッシュでクールでキュートでクラッシュなジーパン」と聞くと、脳内で色々タグ検索が行われ「ナウでヤングなサーバー」とか「ボデコンでモーレツ」とか「オイニーがゴイスー」とか「狸穴パラダイスにキサナドゥ」とか出てきてシッチャカメッチャカ。
どうでもいい話をすいません。

2008年の12冊

さて。個人的に毎年行っている「その年に読んで面白かった小説」まとめ。
四年目になりますやろか。この「読んだ本」に自分の本メモを入れているんだけど、去年は100冊ちょっとしか読めておらず。どうしてもビジネス系が多いので小説は半分以下だろうか。ということで6位までにしました。タイトルの12冊は仕様。
あとテンションあがるかは人次第なのでご注意下さい。
ともあれ、過去のは以下。

■6位: 新堂冬樹 「女王蘭」
これも、すすめられて読んだ一冊。
キャバクラなどが舞台だが、ストーリーが面白くて(どろどろして)、楽しく読んだ。
» 女王蘭 (読んだ本)
■5位: 大崎 善生 「ロックンロール」
パリを舞台にした恋愛小説。
切なさを書かせたら、大崎さんつよし。昨今、毎年ピックアップしてる気がする。
以下の最後の引用が白眉。

僕もわからなくなると真夜中に台所に立って鍋を磨く。一時間も二時間も。本当だよ。

それにきっとこの世にはヒステリーという名前のバス停を持っていない女の子だって存在しているに決まっている。

こうして僕たちは欲望の坂道をただ転がっていけばいいのだ。その先にあるものを恐れることなかない。ただ石ころとなり転がり続ければいい。

アメリカの小説にあったような気がする。この世の正しいことの全てはシャワーを浴びた後にされることだ。

» ロックンロール (読んだ本)
■4位: 志羽竜一 「アムステルダム・ランチボックス」
一気に読んだ。会社で、べにぢょだか西川さんにすすめたところ、楽しく読んだとのレビューをもらった気がするので、それなりに万人受けするのではないかと想います。
» アムステルダム・ランチボックス (読んだ本)
■3位: 西村 健 「ビンゴ 」
ダイハードを小説化したら、こうなります、というような感じ。
バイオレンスあり、人情あり、一気に読まされた(好き嫌いは激しいと想うのでご注意)。
ビンゴから考えると、七冊になるのかな?すごい分量だけど、すぐ読める。3人が主人公で、それらの物語が1つづつ。そしてその3人の主人公が絡まる物語が四冊分。
最後は、カタルシスを憶えずにはいられない。平成版バイオレンス戦国時代物語というか。
» 劫火4 (読んだ本)
» 劫火2 大脱出 (読んだ本)
» 劫火1 ビンゴR(リターンズ) (読んだ本)
■2位: 真山 仁 「ハゲタカ」
友人にすすめられて読んだ「ハゲタカ」。その人のおすすめはホボ、外れることはないので迷わず買った。案の定、べらぼうに面白かった。
ハゲタカ2も併せて四冊の物語で重厚。でもあっという間に読む。ドラマ化されたらしいけど詳細不明。
ストーリーはハゲタカファンドの物語。実際の日本の出来事などもうまく絡ませているので、その辺にも興味あると、とても面白い。
なお「虚像(メディア)の砦 (読んだ本)」はイマイチ。マスメディアが舞台。
以下、少し引用。

わたしはフェアとラブって言葉が一番嫌いよ。どっちもこの世にあった試しがないんだから。

» ハゲタカ2 (読んだ本)
» ハゲタカ (読んだ本)
■1位: 中村 航 「リレキショ」
あくまでも「村上春樹好き」として、とても面白かった。
ストーリーは当然ながら、言葉使いや表現、エピソードが刺さる。なお「100回泣くこと」はソコソコ。
概要としては、主人公がリレキショ作って、ガソリンスタンドで働き始める。で、そこで恋する相手がみつかる。あとは姉と姉の友達が主要人物で物語はすすむ。
なんてことのないシーンたちだけど、こうも絡まると素晴らしい一冊となる。
» リレキショ (読んだ本)