これまた2、3週間ほど前には拝読していたのに遅くなってしまった。献本いただいたので書評コーナー。
タイトルの通り、広告の最前線で戦っておられる方々による一冊。しかも、「Web広告のしかけ方」ではなく「Webキャンペーン」というのがミソのような気がするのですがいかがでしょうか。個人的に、このようなときに「広告」なのか「マーケ」なのか「PR」なのか「クチコミ」なのか「プロモーション」なのかとかいろいろその違いを悩むときがあるのですが、キャンペーンなわけです。
で、豊富な事例がぎっしり紹介されています。実際に成功した事例が紹介されているので腹落ちしやすいです。たとえば、ブロガーを招待したスカイラインイベントやso-netのヒロシキャンペーン、NIKE+のWebキャンペーンなどなどなど。Webを利用している人なら、少しでも聞いたことのある話に触れられているのではないでしょうか。
で、個人的に気になった点をいつもどおり引用。
アメリカのARDはEngagementをつぎのように定義している。「消費者を取り巻くさまざまなコンテクストを活用して、消費顧客をブランドの世界へ巻き込むこと。それは消費者を巻き込む参加型コンテンツを通じてパーソナルでディープなブランド体験を消費者に提供してもらい、その力を借りてブランド力を高めていくことである。」
このエンゲージメントの概念は、まぁ前からちらっとは使われていたとはいえ、やはり新しい概念なのでは?広告効果を評価sる新しい基準。ポイントは「消費顧客を巻き込むこと」なんでしょうねえ。個人的には。つまり、コーポレートブランドとかだとさらに効果があるのではないかと思ったり(短いものよりは長いもののほうがいいのでは?)。ROIだすにはかなりのロングタームになってくるのかもしれないけれど。
あと渡辺さんが紹介されていたWebキャンペーンを成功に導くための4つの方法「DRIP]ですが(「Deep」「Interactive」「Participation」「Repeat」の頭文字)、なんだか恋愛に似てるなぁと思いました。「一歩踏み込んだ関係」「対話から成り立つ関係」「参加して実感」「誰かに紹介したくなること」。恋愛だとこの4つめの紹介したくなるかがとくに重要なのでは(良い意味でも悪い意味でも)とか思ったり。
ともあれ、Webの業界で広報やPRや広告やマーケあたりを触っている人には必読の一冊ではないでしょうか!