時には電車の中で大口で

先週、夜。23時ごろ
打ち合わせの帰りに電車に乗っていた。大江戸線の六本木。
大江戸線は他の車両よりも空いていることが多い。それでも、この時間はそこそこ混んでいて。
ふと、妙齢の女性が座っているのが目に付いた。その容姿ゆえではなく「上に大口を空けて、爆睡していた」からだった。まぁ、その端麗な容姿とのコントラストが否応にも目を引いたのは否めないけれど。
周りの人は特に気にせず横に座っていたアフリカ系の人はiPhoneで熱心に何かを読んでいた。思わず中島みゆきのファイトが脳裏に浮かんだ。
一時の安寧とオリエンタルな地下鉄だった。
先週、夜。26時頃。
走ってこよう、と思ってマンションの部屋から1階へ向かった。
マンションの郵便受けを2週間くらい空けてないな、と思いながら、エレベータがN階で止まった。
エレベータ内から透明ガラスを通じて、N階を見ると、女性の部屋から男性が出てきていた。女性は部屋の中で、扉を開けたのが男性だった。
エレベーターのドアが空いて、女性が男性に怒っているのが聞こえた。男性は女性と目を合わせず下を向いていた。
ドアを空けながら私は「乗りますか?」と聞いた。男性が2秒ほど考えてから「すいません。先にいってください」と男性は言った。
平日丑三つ時の論争と慈しみのN階だった。
先週、夜。23時頃。
大学の同窓会的な何かで寄ったグローバルダイニング系の飲食店@恵比寿
トイレに立った私はテーブルの間を抜けて。ふと、女性が1人で食事をしていた。
周りは誕生日の祝いやカクテルショーで賑わしい中、そのテーブルにはシーザサラダとファフィータ、バッファローウィングにガカモレがところ狭しと並んでいた。
1人で食事する人は珍しくない「コンクリートジャングル」だけど、その量の多さが目について。
栄養素とカロリー以外の何かを腹に収めるように、その人は食事をしていた。
喧噪と哀愁が同席するテーブルだった。
都会の夜はドラマが溢れているな、と思う。嫌いではない。私が勝手にドラマを作り上げているだけかもしれないけれど。

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