横道世之介 (文春文庫)
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吉田 修一
文藝春秋 (2012-11-09)
売り上げランキング: 16,632
文藝春秋 (2012-11-09)
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★★★★★
「いい本読んだ!」と思えた小説でした。吉田修一さんの本は、どれもはずれがない。
青春ものの物語で、大学のために上京してきた主人公の学生時代の物語。友情あり、恋愛あり。
ただ、通常の物語と違うのは、構成。この出来事はバブル期あたりの物語なのだが、そこの登場人物たちの「今」が、物語の合間に差し込まれる。つまり、大学生だった彼らの「数十年後」が垣間見れる仕組みになっている。
そこで「ん?」という出来事が起こり、時間を移動しながら、ぐいぐい物語に引きこまれていく。人物像も上手ければ構成もうまい。きっとあなたもこの登場人物の誰かに感情移入をし、あるいは、誰かに恋をすることでしょう。
最初は新聞か何かで連載されていたのかな。最後はその時と少し話が変わっているそうで。映画化もされたので、それがどのような最後になっているのかも気になるところ。
おすすめです。