いやー。2回泣いた。しかも電車の中で。さらには電車乗り過ごした。赤羽橋で降りなくちゃいけないのに、大門まで行ってしまった。
ご存知ペパボの大社長、家入さんの本。
わたくしめ、こういった立志伝を読むのはとても好きなのだけれど、その中でも、本書は非常に独特の雰囲気を持った一冊でした。そもそもビジネスの項と前半の項の割合からして独特。
ではいつもどおり、少々引用させて頂いてご紹介。
絵本を読んでもらっていた幼きころの家入さん。しかし、毎回同じなので飽きてきた。そこで・・・
より新しい面白さを求めて、今度は同じ絵本を後ろからさかさまに読んでもらうのだ。
の下りには素直に感動した。この発想すごい、とか。
これはきっと人類が正常位にあきてバックをはじめたのと同じ原理だな(動物的にはバックが基本で正常位がイレギュラーだとしても)。そうして文化は発達していくのだ、多分。
そんなわけで、気がついた時には僕は電車に飛び乗っていた。とにかく遠くへ行けば何とかなると思ったのだ。
ここは共感した。僕も高校生にもなってしていた気がする。授業に嫌気がさすと大阪城にいって寝てた。。そういえば山田詠美の「僕は勉強ができない」の最後らへんにもこういうシーンなかったっけ。電車に揺られて遠くまでいくの。なんか、そういうのには、何かしらのイデアがあるのかも知れない。
そう思い立った瞬間の僕には、実行する以外の選択肢はなかったのだ。
先日読んだ水曜の朝、午前三時で引用されていたキルケゴールのセリフを思い出した。
人間は選択した瞬間に飛躍する。
これですよ。はらくくった時に人間は生まれ変わるのですよ。多分。
考えれば考えるほど絶望的な状況だった。下手すれば巻き添えを食ってペパボまで倒産、なんてことになりかねない事態。
(・・・落ち着け、落ち着かなくちゃ)
僕は一旦深呼吸をして、椅子に深く座りなおした。
このシーンがとても好きだった。
人生、いきてたらこういうシーンってばよく直面して。まさに口がからからになる、というような。そんなことを追体験してしまったシーンでした。
ゲシュタルト崩壊しない範囲で自分の記憶を思い返すならば、うーん、、、、アメリカで事故った時とか?
もう血の味が口に充満するわけですよね。ピンポンじゃないけど「鉄の味」って奴。あーやだやだ。精神衛生上にそんな記憶を思い出すのは良くない。
どんな困難にも真っ向から立ち向かうことがよしとされる世の中でとにかくひたすら、逃げ続けることに全力を注いできた。
この逃亡で思い出したのはフロムでも、ハリソンフォードでもなくこちら。
「逃げる」っつーことは良いことだ。
私は、逃避または逃亡を多くの場合良しとする。
~中略~
すべてを引き受ける覚悟を決めてさあ逃げよう。
逃げて逃げて。。逃げまくった先には青い空。
とりあえず熱いコーヒーでも飲んで、
明日の朝の目覚ましでもかけようか。
この文章読んだ時、かなり衝撃を受けた覚えがあり。なんつー超越した哲学だと。何があったんだと。壮。それを思い出しました。こういった価値観、つまり、一般的に「マイノリティ」とする価値観を自分のものにするには、相当のプロセスを経る必要があるのではないか疑惑があり、そもそも、本質的にマイノリティの価値観があった人でも、世間体というものからそれとの違和感を感じて、それがコンプレックス(精神の複雑性)をうんでいるという前提があり、それにより時にはアイロニックになったり、自我の崩壊にも直面するわけで、そのため、それを持っているだけでもそのような副作用があるのに、あまつさえそれを自分のものにするには、適切なプロセスを踏まないと自我と社会との軋轢を生んで齟齬が生み、その違和感がいつしかホメオスタシスを破壊するのではないかと思うわけで、その適切なプロセスとはまぁ経験であったり、あるいは超越した意志やあるいは宗教なのだろうけど、ともあれこんなことを僭越ながら僕が邪推しても何も生まないわけで、、こうマイノリティの価値観を是とできるということはかっこよいなぁ、と思う次第。
というように、色んなことを考えてしまった一冊でした。
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