Benedict Evansさんを続けて。
以下の動画(Evansさんのプレゼン)も同氏のブログでみかけて、かなりインパクトがあった一品。
»The end of the beginning — Benedict Evans
テーマは「終わりの始まり」。つまり「インターネットはGAFAにおさえられてチャンスはもうなくなった」という風に思えるけど、それはECとか広告産業だけで、それ以外の巨大なマーケットはまだまだ残ったままだよ、という話。
以下、ポイント
-
PCもスマートフォンも普及曲線は頭打ちになっている。しかし、これは成長の終わりではなく、始まりの終わりなのである
-
たとえば、EC市場と同じぐらいにガソリン市場はあるが、今後20年でなくなるだろう。その数倍以上ある車市場も今とはまた変わった市場となっているだろう。つまりまだまだフロンティアは残っているのだ。
-
他にもある。インターネット広告よりも大きなダイレクトマーケティング市場が存在する。
-
国もだ。以前は、USとUKで産業革命を担っていたが、いまは中国が台頭してきている。市場としても、中国やアジアなどの国が消費国として台頭してきている。ECのシェア率でいえば、USは4番目でもはや1位ではない。VCの投資もUS以外のシェアが大きくなっている
-
USのEC市場は4500億円だが、USのリテール市場はまだまだ大きいし、世界の消費は40兆ドルとまだまだ大きい
-
求められるものも変わる。インターネットサービスで、いままで求められていたのが「情報のアービットラージ」なら、これからは「インフォメーションビジネス」だ。「ツール」から「フルスタック(全部)」が求められるようになってきている。
- 小売は「ロジスティクスとしての小売」よりも「流行をつくるプレーヤーとしての小売」も求められるようになるだろう。そうなると「当日配送」などのロジの改善よりも「あなたのおすすめ」などが求められるかもしれない。インターネットによって生み出された「ソーシャル」「レンタル」「サブスク」「ML」 などによって、ここから新しい価値提供は生まれてくるだろう。ECはNYで買えるものを買えるようにしたが、NYでの買い物を再現したわけではない。今後はそのような体験もチャレンジ領域になるだろう
- ECの配送とは別に「日用品」の事業も新しいものを求められている。Amazonも勝ちきっているわけではない。まだまだ大きなチャンスがある
-
これまでの20年で変革が起こったのは、ECと広告だ。これから20年は、それ以外すべての市場が変わる
-
テスラはまだ市場のほんのわずか。それよりも新しいトランスポーテーションが世の中を変えるだろう
-
Neflixの消費が大きいが、実はYouTubeゲームやTwitchのユーザの方が多い。ゲームの市場も大きいと考えると、Eスポーツの市場も大きい
-
2018はフィンテックの動きが大きかった。しかし、「決済」よりも「リテールバンク」「保険」の市場の方が大きい。さらには、不動産はその数倍ある。
-
これからは、「多くのデータ」「顧客のそれぞれの異なった期待」「アンバンドル化」「ML」などを活用した新しいソリューションが生まれてくるだろう
-
薬の発見市場も大きい。今後は遺伝子市場になるだろう。さらには予防市場もまだまだ大きい
-
インターネットは「Closed(AOL)」と「オープン(インターネット)」を繰り返して、今は「GoogleとFacebook」で閉じた社会だ。次は、オープンな社会として、Cryptoが活躍するだろう。以前、インターネットで夢みた「非中央集権的な世界」を、再興させることができる