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Apple plusの狙い

大好きなBenedict Evansさんの記事。今回もすこぶる興味深い分析でした。テーマは、Appleの新しい戦略

»Apple Plus – brand versus subscription — Benedict Evans

先日、Appleはニュース雑誌などを読み放題の「News+」を発表。またTV+でNetflixのような同額定額サービスも発表。他にもゲームの定額も発表した。Cardもあった。

これからから読み取れるAppleの狙いはなにか?

Webではあまり評判はよかったように思えない。「思ったより、エキサイティングじゃなかった。ベタなマネタイズだ」みたいな評価だったような気がする。

しかし、これに関して、BEさんは以下のように分析する

  • 今まで、Appleは「誰でも安心して使えるテック」という価値を提供した。iPhoneは使いやすく世界中の人にも使えるようになった
  • しかし、すでに多くの人がスマホをもった今としてはその市場は広がらない
  • ゆえにAppleは次の市場を考える必要がある。1つは車などの大きな市場。すでに取り組んでいる。もう1つは、すでにある(iPhone)の上に新しい事業を生み出すこと。これが、今回のApple plusにあたる
  • そして、Apple plusで実現したいことは「iPhoneからandroidへの解約の停止」だけにとどまらず、「ユーザが求めてる良いコンテンツだけを見つける」という価値を提供する。いま、ニュースをみるにも各社で課金方法が違ったり、何が良いのか、何が悪いのかわからない。それにマルウェアや詐欺も多いので、ユーザは何にお金を使えばいいのかわからない。その問題をAppleは解決する
  • そして、今までの「誰でも使えるテック」ブランドの先にあるのが「テック業界のDisney」的なポジションかもしれない
  • 子供にも問題がない(タランティーノみたいな映画は流さない)、変なお金設けをしない(ガチャがない)、変な雑誌もない。Apple+のコンテンツだと皆、安心してお金を払える。まるで、休日のディズニーのような安心感のように

Apple plusが普及したら、今までネットで課金してない人も課金し始めるとすれば、コンテンツにはお金が今まで以上に流れるかもしれないですね。

Apple musicが音楽業界を破壊するといわれながら、結局、Spotifyなどを通じて、音楽にお金を払う人が増えたのと同じように

ハメハメハ大王

冬は週末は家にこもることが多かったのだけど、暖かくなってきて外にいきたくなり、友人にキャンプなどをお誘いしていたら「カメハメハ大王みたいだ」と突っ込まれて、どういうことか調べたら、ハメハメハ の歌詞に(カメハメハじゃないのね)

>風がふいたら遅刻(ちこく)して
>雨がふったらお休みで

という歌詞があり、高度なツッコミだなと思いました

なお、高度なツッコミとしては先週、

こないだバラエティーで見た
女優「彼氏と部屋で話すの面倒臭いから、たくさん酒飲ませてさっさと寝かしてます」
山里亮太「ヤマタノオロチの倒し方じゃねえか」
ってツッコミが鋭過ぎて、何度も思い出し笑いしてる。— アル中 (@ryoma_picmin) 2019年3月31日

というのも見かけた。高度だ。

自分の小さな「箱」から脱出する方法がとても良かった

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数年前にWebで話題になっていた一冊。そのときは挫折。こういう精神論ぽいのが苦手で(引き寄せの法則とか)。

そして去年あたりに知り合いから再度、すすめられて少し読んだけど、心が痛くてまた挫折。

さらに3度目として、年末に好きな書評ブログで改めて紹介されていたので、ようやく本腰入れて読了。

とても良かった。絶賛される理由がわかった。あと、精神的な話ではなくて、論理的な話だった。

人によって、どこを要旨にするか変わる本だと思うけれど、私は以下のように解釈

・人は、「自分が正しかった」と正当化する認知バイアスが強烈にある
・それがあると、人は他者との関係性を対立構造に持ち込みがち(「自分を正しい」とするには、「悪」が必要)
・よって、人は「なにか自分がしたくないこと、認めたくないこと」が発生すると、他の人を敵に仕立てて、自分を正当化する傾向にある。本来は「他の人が正しくないから自分はこう思う」という流れになるはずなのに、認知バイアスのせいで、実際は「自分がこう思いたいから、他の人が正しくない」と、いもしない敵を作ってしまう(因果が逆転する)
・それを避けるためには、まず「自分に非がある(自分の思いが、自分の意見を正当化させるためにバイアスがかかっていないか)」という前提でコミュニケーションすることが重要

これは心理学の話で、Amazonのレビューにかかれているような「人を思いやってごらん。」「人に親切にしましょう」」みたいな精神論の話ではなくて、「認知バイアスがどうやってうまれるか」を解説した本な気がしました

こういう「「箱」から脱出する方法」みたいなファンシーな表現にしてしまっているので「チーズはどこへ消えた」感がでてきているので、損しているのではないかとも思った

ワークルールズを読んだ

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これも会社の人がすすめていて読んだけど、めちゃめちゃおもしろかった

面白かった点

・研究論文などをもとに施策の仮説を立てている 

テクノロジーと同じだけれど、人事関連をこういうアプローチでしているという話はあまり聞いたことがなかった。おそらくそれを表立っていうと「人間を実験体にするのか」みたいな話になりかねないので難しい部分があったんだったんだろうと思われる。ただ、今後は行動心理学などの分析は経済などに限らず、こういう人事や、ひいては行政とかにも今後活用されていくのだろうと思った。 

·データドリブン 

上記に関わるけど施策の満足度をちゃんとデータでとって効果を検証している。今後、人事考課や面接などの抽象度の高い業務も、こうやってデータで可視化されていくのだろうという印象。ただ、企業ごとに(フェーズとか方針によって)、ベスト・プラクティスはかわるから、その難しさはありそう。昨今のリンモチさんのモチベーションクラウドとかは、けっこう近いアプローチなのかな。 

隷属なき道を読んだ

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会社の人のおすすめで読んだのだけれど、めちゃめちゃおもしろかった。

ベーシックインカムの重要性がデータを元に語られる。そこから演繹して考えると、「金融」がいかに重要かと理解できる。

なにかをしたい人にお金を貸すということは、従来、銀行が担っていた役割で、それによって経済はリバレッジが効いて拡大してきた。このデータでは、それらが個人レベルでも有用ということがわかる。いわばホームレスの方や貧困の方にお金を提供できれば、それで生活が改善され、社会としても全体の価値の総和は大きくなるということが示されている。

孤独が肥満よりも深刻な問題に

以下の興味深い示唆を見つけた。

また、「孤独感は肥満よりも深刻な脅威になった」と報告するのは、アメリカ心理学会だ。SNSでいつもつながって便利になり、多くのビジネスを生んでいるが、常につながることで逆に孤独に陥りやすくなり、精神のバランスを崩すという。  


»歪んだテック社会の救世主、異色の経歴を持つ日本人女性 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

人は相対的に幸せを感じるから、SNSで人の日常を見ることで、基本的には不幸になっていくというのはすでに研究の通り(なぜならハッピーな人しかSNSに投稿はシェアしないので)。

ただ、それは「人と比較して不幸せを感じる」という問題だったが、その中で、核心にある問題の1つは「孤独」なのかもしれない。特に昨今は結婚などをしない人が増え、ますますこの問題は大きくなるだろう。

anyway 「肥満より大きな社会問題」という表現が面白かった

ストレスとの向き合い方

友人に「良いスピーチの動画ない」と聞いて教えてもらったケリー・マクゴニガル教授のTED
サマリ
・ストレスは体に悪いものだと思われていた
・しかし、最近の研究だと「ストレスは体に悪い」と考えている人には実際に悪かったけど、そうでないと思っていた人には悪くなかった
・ストレスを感じた時のいやな感じは「それに立ち向かう勇気」を出していると捉えることもできる(心拍数を高めて)。そう捉えた人の場合は、血液がリラックスの状態のままだった。ストレスをネガティブにとらえた人が血液が収縮したのに。
・また、「抱擁ホルモン」といわれるオキシトシンなるホルモンがある。これが分泌されると人とのつながりを求めるようになる
・ただこれはストレスをうけた時にも出る。それからわかることは人はストレスをうけた時には「人と一緒にいたい」と思わせる
・さらにこのオキシトシンはストレスによるダメージも回復させる
・また、重大なストレスを経験すると死のリスクが30%あがるけど、人を思いやることをしていた人は0%だった
上記に関連して、最近よんだ本で、「トラウマは人を強くする」という研究結果をみたことがある。過去にトラウマを経験した人ほど、人生の起伏にも心境をコントロールできるとか。

KOMFORTRAUSCHENがいけてる

先日、「KOMFORTRAUSCHEN」というドイツのテクノミュージシャンのライブをみたんだけど。素晴らしかった。

ギター、ベース、ドラムでテクノという「この楽器隊で?」というのもすごいし、2曲で40分という構成もすごい。ミニマル・テクノで清廉とした感じなんだけど、表情が豊かで盛り上げ方もすごい。

おとぼけビ〜バ〜すごい

先日、たまたまおとぼけビ〜バーというガールズロックバンドのライブを見る機会があったのだけど、めちゃめちゃ良かった。

僕自身、普段はテクノとかで、ロックはあまりわからないのだけど、一気に持っていかれた。

何がすごいか表現しにくいのだが、まずパフォーマンスがすごかった。鬼気迫るものがあった。「歌とは何かメッセージを伝える手段である」というのが伝わってきた。魂が音になったような迫力があった。

もちろん演奏技術もたかく(僕は素人なので印象論)、あとは振り付けや客席へのダイブ、マイクパフォーマンス、衣装とかも全般的に尖ってて良い。

»おとぼけビ~バ~(@otobokebeaver)さん | Twitter

上記が公式アカウントなので、上記でパフォーマンスの写真とか動画があがってるのでご感心のある方はどうぞ。ただ、紹介されている動画でライブのあの熱狂は伝わりにくそう

なおグループ名はラブホの名前から。ロックな感じだ。

海外でうけており、昨年の世界最大の音楽フェスコーチェラには、X japanとおとぼけビ〜バ〜だけが参加した。レーベルもイギリスのものに所属しているというグローバル感。日本をすっ飛ばし、いっきに世界に駆け上がってる。

「暮らしの中で使える政治」を読んだ

遠藤さんの新しい著作

暮らしの中で「使える」政治: 香港の路上はすべての街につながっている

暮らしの中で「使える」政治: 香港の路上はすべての街につながっているposted with amazlet at 19.03.09遠藤 ちひろ
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知人・友人という贔屓目を差し引いても面白かった。香港で行われた市民運動をベースに、それを俯瞰的に捉え、そこからの気づきをどう日本で生かしていくのかが描かれている。特に具体的には陳情などのハウツーにまで落ちている。

あと赤裸々に氏の本心が書かれていて(マスコミに取材を受けたときの算段とか、デモの見学時の思いとか)、それも手触り感あって良き。

以下、特に「良いな」と思った箇所。

  • 勝ち負けを考えずに吐く正論からときとして意外なほどのパワーが溢れ出す
  • (とある議案があり、後援会からはプッシュされる中、それは通らないので出さないと決めた後で)今ならわかる。たとえ通らなくても、戦う姿勢をみせる。たとえ秘訣されるとしても市民を味方につけるインパクトのある議案ならば、それは出す意味が十分にあるのだ

物事を動かすのは「スーパーマン」だけではなく、ときに草の根の運動であり(歴史をみても明らか)、その運動はたとえそのときは世の中を変えなくても、中長期的に見れば、社会にはインパクトを残すこともある。そして、必ずしも運動は大きなものではなく、一通のメールでも良いかもしれない。

今後、日本の政治はある種の世代間闘争が先鋭化していくと思われ(人口ピラミッドから)、そんな中で、政治を他人事にせず、そして、「何も変わらない」というのではなく、どう向き合うかの一例が描かれた素敵な本でした

さすが我らが遠藤ちっひー。